質問主意書

第102回国会(常会)

質問主意書


質問第九号

防衛費のGNPにおける一%枠等に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和五十九年十二月二十一日

黒柳 明   


       参議院議長 木村 睦男 殿


   防衛費のGNPにおける一%枠等に関する質問主意書

 防衛費のGNPにおける一%枠については、三木内閣以来、歴代の内閣の厳しく遵守して来たところであるが、中曽根内閣の著しい防衛費増強姿勢が継続し、六十年度予算においては、既にその突破の恐れが出て来た。このことは、わが国の基本姿勢にかかわる重要問題なので、以下数点について質問する。

一 中曽根総理は六十年度予算においては、一%枠は突破しないように努力するとの言明をしばしば行つているが、これは総理が努力目標としてこの一%枠をとらえているとの印象を受けるがどうか。

二 六十年度内の人件費に対する補正予算を含めた場合には、一%枠突破もあり得るのか。

三 国民への明確な公約として、六十年度内においては如何なることがあつても、一%枠は厳守するということは言明できないのか。

四 中曽根内閣は、六十一年度以降の五九中業の作成に当たつてもこの一%枠は尊重するのか。

五 中曽根総理は、この一%枠に変更の必要が生じた時は、国民の理解を求めるといつたと伝えられるが、このことは選挙に訴えて国民に信を問うということなのか。

六 中曽根総理の私的諮問機関である平和問題研究会が、GNP比一%枠の撤廃、防衛計画の大綱の見直し等、新しい防衛計画の策定作業に取りかかるべきとの提言をしたが、私的諮問機関とはいえ、中曽根総理の意向にそつたものと考えるがどうか。

  右質問する。