質問主意書

第101回国会(特別会)

答弁書


答弁書第三七号

内閣参質一〇一第三七号

  昭和五十九年八月三日

内閣総理大臣 中曽根 康弘   


       参議院議長 木村 睦男 殿

参議院議員秦豊君提出核巡航ミサイル「トマホーク」の配備とわが国の非核三原則に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員秦豊君提出核巡航ミサイル「トマホーク」の配備とわが国の非核三原則に関する質問に対する答弁書

一から九まで、十六及び十八から二十までについて

 米国政府は特定の艦船における核兵器の存在については肯定も否定もしないという政策をとつており、政府として、具体的にどの艦船に核兵器が搭載されているか又は搭載されることとなるかについては承知していない。
 いずれにせよ、日米安保条約上、いかなる核兵器の我が国への持込みも事前協議の対象であり、核兵器の持込みについての事前協議が行われた場合には、政府としては、常にこれを拒否する所存である。したがつて、政府としては、非核三原則を堅持するとの我が国の立場は十分確保されると考えている。また、米国政府は、日米安保条約及びその関連取極に基づく義務を誠実に履行してきており、今後とも引き続き履行する旨保証している。政府としては、核の持込み問題については、今後とも日米安保条約及びその関連取極に従つて対処する所在である。
 なお、通常弾頭搭載対地攻撃用トマホーク・ミサイルの運用能力は、戦艦ニュージャージーについては昭和五十八年三月に達成されたものと承知している。また、これまでの日米間の一般的な意見交換の過程で、米側から、戦艦ニュージャージーが本年中に日本に寄港する可能性は少ない等の発言がなされた経緯はある。

十から十五までについて

 艦船又は航空機による核の持込みを含め核の持込みが行われる場合はすべて事前協議の対象となるということは、合衆国軍隊の装備における重要な変更を事前協議の対象とする交換公交の規定及びいわゆる藤山・マッカーサー口頭了解から十分に明らかであり、この点に関し日米間に了解の違いはないと考える。

十七について

 御指摘のようなことがあつたとは承知していない。