質問主意書

第101回国会(特別会)

答弁書


答弁書第二九号

内閣参質一〇一第二九号

  昭和五十九年五月二十五日

内閣総理大臣 中曽根 康弘   


       参議院議長 木村 睦男 殿

参議院議員秦豊君提出ロング前米太平洋軍司令官の米議会での証言とわが国の防衛政策に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員秦豊君提出ロング前米太平洋軍司令官の米議会での証言とわが国の防衛政策に関する質問に対する答弁書

一から六までについて

 政府としては、ロング前米太平洋軍司令官が、米下院外交委員会アジア・太平洋小委員会の公聴会における質疑応答の中で、シーレーン防衛問題に関する発言を行つたことは承知しているが、質疑応答部分については議事録が存在しておらず、正確な発言内容について承知していないこともあり、同発言についての見解を述べることは差し控えたい。
 いずれにせよ、我が国に対する武力攻撃が発生した場合に、我が国の防衛のため必要最小限度の範囲内において、海上交通の安全確保を図ること等を目的として海峡防備のための作戦を実施することはあり得るところであるが、我が国に対する武力攻撃が発生していない場合に、同作戦を実施することはあり得ない。
 また、同作戦は、「日米防衛協力のための指針」にもあるとおり、海上自衛隊が主体となつて実施し、米軍は海上自衛隊の行う作戦を支援することとなつている。同作戦は、一般的には、潜水艦、水上艦艇、航空機等を有機的に組み合わせて実施するものであり、その際、状況によつては、機雷を敷設することもあり得る。その場合、機雷敷設を含む海峡防備に必要な能力及び経費については、事態の様相等によつて異なり、一概に述べることは困難であるが、今後とも、「防衛計画の大綱」に従い、この面における能力の向上を図つていきたいと考えている。
 なお、米国は、「日本国の安全に寄与し、並びに極東における国際の平和及び安全の維持に寄与するため」、日米安保条約及びその関連取極に従い、我が国において施設及び区域を使用することを許されている。