第101回国会(特別会)
質問第四四号
米の生産に関する質問主意書 右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。 昭和五十九年八月七日 木本 平八郎
米の生産に関する質問主意書 米は、国民の主食となる重要な物であり、その価格上昇は直ちに広範な物価に悪影響を与える。
一 昭和五十六、五十七、五十八年産の水稲の玄米六十キロあたりの生産コストについて、〇・三ヘクタール未満、〇・三~〇・五ヘクタール、〇・五~一・〇ヘクタール、一・〇~一・五ヘクタール、一・五~二・〇ヘクタール、二・〇~三・〇ヘクタール、三・〇ヘクタール以上の各作付規模別(以下、「作付規模別」という。)の肥料費、農業薬剤費、賃借料及び料金、農機具代、農家労働費、その他一次生産コスト、一次生産コスト計、資本利子、地代、二次生産コスト計(以下、「コスト要素別」という。)は、どのようなものか、それぞれ一円単位で伺いたい。また、農家労働費については、作付規模別に玄米六十キログラムあたりの投入時間及び一時間あたりの賃金を一円単位で伺いたい。 二 昭和五十六、五十七、五十八年産の水稲について、各作付規模別に、玄米に換算して、生産量、政府売り渡し量、自主流通米としての売り渡し量、農家自家消費量をトン単位で伺いたい。 三 昭和五十六、五十七、五十八年産の水稲の六十キログラムあたりのコスト要素別の生産コストについて、それぞれ全生産量の平均、政府売り渡し米の平均、自主流通米としての売り渡し米の平均、売り渡し米の平均を一円単位で伺いたい。 四 昭和五十六、五十七、五十八年産の水稲の玄米六十キログラムあたりの地代について、作付規模別に小作地として現実に支払つた地代額はいくらか、一円単位で伺いたい。また、作付規模別に小作地の面積をヘクタール単位で伺いたい。 五 昭和五十六、五十七、五十八年産の水稲について、作付規模別に減反を実施している水田の面積をヘクタール単位で伺いたい。また、作付規模別に平均収量はどのくらいであつたか、キログラム単位で伺いたい。 六 五の「減反面積」に平均収量を乗じて、潜在的な水稲生産量を作付規模別にトン単位で伺いたい。 七 昭和五十六、五十七、五十八年の各年別に、二の「農家自家消費量」を不変として、作付規模別に六の潜在的な水稲生産量があつたとした場合に、コストの安い方から順次売り渡し米の販売を行つたとし、必要な政府売り渡し米及び自主流通米を確保した場合に(いわゆる国内農家間において米生産を自由化した場合)、そのコスト要素別に玄米六十キログラムあたりの売り渡し米のコストはどのようになるか、一円単位で伺いたい。 八 昭和五十九年産の水稲について、玄米六十キロあたりの政府買い入れ価格の算定にあたつての根拠及び算定式を一円単位で伺いたい。 九 昭和五十八年産の政府買い入れ価格は、七で算出された一次生産コストに比較してどの程度高いのか。 十 七で算出された一次生産コストで政府が買い入れを行つた場合には、どの程度財政負担が軽減されるか。また、九で算出した差額分、自主流通米が値下がりしたと仮定した場合に、消費者が受ける利益額はどのくらいになるか。これらに、転作奨励金を加えた額(仮に、国内生産を自由化した場合と考えられる。)はいくらになるか。 十一 現実に支払つていない自作地に地代相当額を見込んで生産者米価の算定の基礎資料としているのはなぜか。 十二 農家の減反を徐々に解除し、同時に徐々に政府買い入れ価格を引き下げ、最終的に国内農家間の米の生産を自由化すれば米の生産コストは低下すると考えているのか。 十三 十二の問に対して、否定しないのであれば、どうして米の生産を自由化しないのか。 右質問する。 |