質問主意書

第101回国会(特別会)

質問主意書


質問第三五号

FSX(次期対地支援戦闘機)に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和五十九年七月十日

秦 豊   


       参議院議長 木村 睦男 殿


   FSX(次期対地支援戦闘機)に関する質問主意書

 FSX(次期対地支援戦闘機)の機種決定をめぐる問題点については、既に、昭和五十七年二月の参議院予算委員会における質疑以来、四回、それぞれの時点で政府側の考えを質して来たが、ここに改めていくつかの質問をする。

一 政府側のFSXについての基本的な考え方と方針は、どうなつているのか。

二 F1改、F4改、F16、トーネード、ハリアー、F15改、あるいはF18等の多くの機種は、選択肢としてすべて含まれているのか。

三 F1の現有機数は何機か。

四 今後、F1を何機追加生産するのか。

五 F1をいつまで運用してゆく考えか。

六 現有のF1は、レーダー、兵装、ペイロード(有効搭載量)のすべてにわたつて、不十分なものではないのか。それとも、きわめて満足すべき対地支援機と考えているのか。

七 基本的な把握として、政府は、FSXについては対艦攻撃能力と対地支援能力のいずれを優先する考えか。

八 仮に、F1を今後数年以上にわたつて運用する場合は、対艦攻撃能力の改善は必須ではないのか。また、そのために具体的な対策を考えているのか。

九 元来FSXについては、一飛行隊(予備機を含めて二十四機)を五六中業期間中に購入することになつていたが、その計画は事実上放棄されたのか。

十 右の計画を放棄したとすれば、その具体的な代案は何か。

十一 FSXを考えた場合、国産化は今後ともあり得ない選択と言い得るのか。
 それとも、国産化もまた一つの選択肢として残されているのか。

十二 去る七月四日の参議院外交・総合安全保障に関する調査特別委員会で、矢崎防衛局長は、私の質疑に対し、「FSXについて諸外国への調査団を派遣することは考えていない」旨答弁しているが、既に空幕は、運用課長・杉山一佐、防衛課・市来二佐、吉岡三佐の三名をメンバーとする対外調査班を内定しているではないか。矢崎答弁は、空幕の内定を内局としては認めていないと言う意味なのか。
 それとも、防衛局長が空幕の動向を把握していないのか。

十三 防衛庁としては、FSXに関する対外調査は、今後とも必要としないのか。

十四 それとも、諸外国における対地支援機の運用や要求性能等についての一定の調査は考えているのか。もし、調査を実施するとすればいつ頃なのか。また、どのような調査計画なのか。

十五 諸外国にFSXに関する適当な機種が無かつたと判断された場合はどうするのか。

十六 一つの構想として、エンジンは「GE四〇四」、FCS(火器管制装置)は米国から購入等の組合せなら、FSXの国産化もあり得る方向と考えるのか。

十七 FSXについての基本的な方針は、いつ頃までに確定すれば良いのか。

  右質問する。