質問主意書

第101回国会(特別会)

質問主意書


質問第二三号

米軍兵器の北海道備蓄計画に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和五十九年五月二日

秦 豊   


       参議院議長 木村 睦男 殿


   米軍兵器の北海道備蓄計画に関する質問主意書

 本年四月二十九日付「朝日新聞」朝刊によると、防衛庁筋は米国陸軍が有事に備えた兵器類の北海道への事前備蓄を日本側に打診中であると報道しているが、それに関連して質問する。

一 米国陸軍第二十五歩兵師団(ハワイ駐屯)の装備のうち、一ないし二個旅団分の重装備を北海道に事前備蓄する可能性について、日本側に打診中であると伝えられているが、公式・非公式を含めて、米国側からはどのようなアプローチがあつたのか。

二 本年二月公表された米国防報告の中にも、「すでにアメリカは数カ国に対し、資材の事前配置、危機の際の地元施設の利用、平時における訓練・演習を行う許可を得ようと努力している。」と述べているが、今回、わが国に対する打診が仮にあつたとすれば、そうした構想の一環とは考えないのか。

三 米国陸軍用兵器類のわが国への事前備蓄については、法的解釈としては、何らの妨げもないものと考えるか。

四 政府として、もし米国側から正式に打診が行われ、公式に方針を求められた場合には、どのように対応するのか。

五 事前備蓄される兵器類には、どのようなものが含まれると考えるのか。また、数量的にはどの程度のものが予想されるのか。

六 北海道内での適当な備蓄施設としては、どの地区を考え得るのか。
 例えば、千歳市周辺の陸上自衛隊島松演習場は、候補として考え得るのか。

七 米国側から備蓄倉庫等付属施設の建設に要するすべての経費を日本側に負担してもらいたいと要請された場合には、どうするのか。

八 今回のような米国陸軍用兵器類の北海道備蓄構想の背景には、北方重視の米国側の戦略的認識がかかわつていると政府は考えるか。

  右質問する。