質問主意書

第100回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第八号

内閣参質一〇〇第八号

  昭和五十八年十一月一日

内閣総理大臣 中曽根 康弘   


       参議院議長 木村 睦男 殿

参議院議員秦豊君提出当面の防衛問題に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員秦豊君提出当面の防衛問題に関する質問に対する答弁書

一及び二について

 大韓航空機撃墜事件に関連して、演習を含め自衛隊が警戒態勢強化の措置をとつた事実はない。
 なお、自衛隊は、大韓航空機捜索のため、艦艇及び航空機による災害派遣を実施するとともに、同派遣を効果的に実施するため一部の艦艇及び航空機を待機させる等の措置をとつた。

三について

 撃墜機の機種を断定することはできないが、諸情報を総合してMIG-23の可能性があると判断している。

四について

 サハリンにバックファイアが配備されているとは承知していない。

五から七までについて

 次回の日米安保事務レベル協議の開催時期については、現在、日米双方で調整中の段階であり、決定されていない。
 同協議は、日米両政府の事務レベルの安全保障関係者が、日米相互にとつて関心のある安全保障上の諸問題について、自由かつ率直な意見の交換を行うものであり、特に議題が定まつているというものではない。

八及び十から十三までについて

 艦載機着陸訓練のための施設について、政府は、現在、関東地方及びその周辺地域を対象として、(1)既存の飛行場について、所要の着陸訓練が可能かどうかの調査、(2)陸上飛行場の新設について、適地の選定のための調査、(3)浮体滑走路について、技術的、経済的及び社会的な見地から実現性を検討するための資料の収集等を行い、鋭意検討しているところである。政府としては、現在のところ、具体的な結論は得ていないが、今後も引き続き所要の調査・検討を行い、早期に結論を得るよう努力してまいりたい。

九について

 米側は、硫黄島で海兵隊の訓練を行うこと、また、海上自衛隊及び航空自衛隊の施設整備が進んでいるということもあつて、艦載機訓練場の問題も含めて一般的に同島を視察したものであると承知している。
 なお、米側関係者は、同島が遠距離にあるので検討の対象にし難いとの感触であると承知している。