質問主意書

第100回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第五号

内閣参質一〇〇第五号

  昭和五十八年十月二十八日

内閣総理大臣 中曽根 康弘   


       参議院議長 木村 睦男 殿

参議院議員秦豊君提出大韓航空機撃墜事件と政府の危機管理・情報管理体制に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員秦豊君提出大韓航空機撃墜事件と政府の危機管理・情報管理体制に関する質問に対する答弁書

一、四、五、七及び十について

1 防衛庁においては、我が国上空に飛来する各種の電波を収集し、整理分析して我が国の防衛に必要な情報資料を作成しているが、個々具体的な情報が、どこで収集され、どのように処理されたか等については、事柄の性格上、答弁することを差し控えたい。
 また、日米両国が、情報に関し具体的にどのような協力を行つているかについても、事柄の性格上、答弁することを差し控えたい。
2 防衛庁としては、しかるべき早い段階において、防衛庁長官が内閣総理大臣に報告を行い、また、関係の政府機関に対しても、遅滞なく連絡し、種々のレベルにおいて、随時、協議を行つた。
 なお、防衛庁内においては、防衛局の専管事項として適切な処理を行つたところである。

二について

1 今回の事件の異常性と重大性にかんがみ、真相究明のため交信記録のテープを米国に提供したが、具体的な提供方法等については、事柄の性格上、答弁することを差し控えたい。
2 シュルツ国務長官の記者会見及びレーガン大統領の演説がどのような情報に基づいてされたかについては、承知していない。

三について

 国際連合緊急安全保障理事会における日米両国共同による交信記録の公表は、両国間において種々の協議を行い、我が国においては内閣総理大臣の決裁も経て行われたものである。

六について

 政府は、今回の事件の異常性と重大性にかんがみ、内閣官房長官を中心として、慎重に対応策を検討してきた。このような対応は、この種の事件に際し、迅速かつ的確に対処していく上で適切なものであると考える。

八について

 我が国は、本件事件の発生以来、事件に関する情報の交換を含め、米国と緊密に連絡、協議を行つてきている。

九及び十一について

 我が国の情報能力等に係わる事柄については、その性格上、答弁することを差し控えたい。
 なお専守防衛を旨とする我が国の防衛にとつて、警戒監視、情報収集等の果たす役割は大きく、また、緊急事態に際し、自衛隊が適切かつ迅速に対応し得ることは極めて重要であるので、引き続き、これに必要な態勢の充実、強化に努めてまいりたい。

十二について

 現在においても、防衛庁から適切な情報伝達が行われているので、担当官を置くことは考えていない。

十三について

 総理大臣官邸の機能の近代化については、従来から設備の充実に努める等配慮してきているところである。