質問主意書

第100回国会(臨時会)

質問主意書


質問第一二号

関西新空港に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和五十八年十一月七日

目黒 今朝次郎   


       参議院議長 木村 睦男 殿


   関西新空港に関する質問主意書

 関西新空港建設問題は、今日までの諸事情の経緯を検討してみると、関西財界の要望そのものであり、常識的には甚だ疑問の多いプロジェクトと考える。そこで、以下の点について政府の所見を伺いたい。

一 昭和五十六年六月二日付「朝日新聞(大阪版)」に掲載された三笠正人教授(大阪市立大)の泉州沖埋立て案に対する批判について、政府の反論があれば具体的に示されたい。

二 今年度予算に計上された調査費及び着工準備調査費四十億円の具体的な使途内容について、その項目別内容金額、更に、未消化分がある場合、今後予定される項目、内容、金額について、明らかにされたい。

三 今年度調査された数箇所の土採り予定候補地の地名地番、土採りのための搬入路、また土採りに関しての調査項目、内容金額を明らかにされたい。

四 伊丹空港の存廃を決せずに、新空港の採算ベースについてどう予測をたてるのか。特に、大蔵省は、最近までこの採算ベースに否定的見解をもつていたようだが、現在は逆に肯定しているのか。関係者の採算ベース見通しに対する統一した見解を伺いたい。

五 過去の調査段階での漁業補償の内容、金額、補償先について年度別に示されたい。

六 現時点で将来の漁業補償について具体的な見通し、考え方など、漁連(漁協)別に示されたい。

七 公害問題について関係住民(自治体)の過去の問題提起に対し、現時点で具体的にどう考えるのか、問題項目別にその対応を伺いたい。

八 昭和五十九年度概算要求の関西国際空港資金計画百六十八億円について、項目別の使途目的、金額を明示されたい。

九 運輸省航空局の「関西国際空港の事業主体構想(案)」における事業規模、資金計画についての具体的根拠を示されたい。特に、(1)空港用地造成工事費五千億円の工事明細項目、内容、金額(2)公団債の引受予定先と引受額(3)第三セクターにおける無償資金で、具体的にどの自治体にいくらだすのかなどについて、その見通しと計画を明らかにされたい。

十 関西新空港の具体的な開港時期、採算ベース、漁業補償等についての地元関係住民との課題、伊丹空港存廃問題の未決着など、見通しのない状態の中で、運輸省航空局の示した「関西国際空港の事業主体構想(案)」における公団と第三セクターによる空港の建設及び運営は、具体的に何を根拠に論じられているのか。

十一 前記十にあげた問題点について、大蔵省は、今後の予算決定に際し、考慮すべきと考えるのか。

  右質問する。