質問主意書

第100回国会(臨時会)

質問主意書


質問第八号

当面の防衛問題に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和五十八年十月十八日

秦 豊   


       参議院議長 木村 睦男 殿


   当面の防衛問題に関する質問主意書

 大韓航空機撃墜事件と自衛隊の対応をはじめ、今後の日米間協議等当面の防衛問題について、質問する。

一 大韓機問題をめぐる九月十九日の衆議院予算委員会での論議の中で、「事件に対応するため自衛隊は、DEFCON3の態勢をとつたのではないか。」との質疑に対し、防衛局長は、「その報告は上がつてきておりません。」と答弁している。大韓機事件の際、自衛隊がとつた態勢は、DEFCON3ではなく、「ラウンド・ハウス」つまり演習のための一種の非常呼集ではなかつたのか。

二 大韓機事件にあたつて、自衛隊の関係部隊は、具体的にどのような即応体制をとつたのか。

三 大韓機を撃墜した戦闘機については、ソ連側は、スホーイ15、日本側はミグ23と公表しているが、防衛庁側の見解は、今も変わつてはいないのか。また、ミグ23とする根拠は何か。

四 本年九月三日付のル・モンド紙は、大韓機関係の論評の中で、サハリンには既にTU22M(バックファイア)が配備されていると述べているが、防衛庁としてはどう見ているのか。

五 延期されているハワイでの日米安全保障事務レベル協議は、いつ頃開かれるのか。

六 次回の前記事務レベル協議の重点は何か。また、シーレーン防衛問題は、本協議の枢要なテーマではないのか。

七 米国側は、シーレーン防衛について、作戦運用面を踏まえた実態的な展開をして来るとの観測もあるが、日本側としてはどう考えているのか。

八 米艦載機の夜間離着陸訓練(NLP)基地問題については、米国側が求めている「早期決着」は到底あり得ないのではないか。

九 米国側は既に硫黄島基地の視察を終えたと聞くが、諾否の感触はどうか。

十 防衛庁が考えている、(1)既存の関東地区の自衛隊基地提供、(2)関東内陸部、島部に新基地を建設、(3)浮体工法による海上構築物などの三案は、いずれも現実性が乏しいのではないのか。

十一 右の三案以外の新たな代替案があり得るのか。

十二 結局、政府としてはどのような対応をする方針なのか。

十三 いずれにせよ、年内の日米間合意などは望めないのではないか。

  右質問する。