答弁書第二号
内閣参質九九第二号
昭和五十八年八月五日
内閣総理大臣 中曽根 康弘
参議院議長 木村 睦男 殿
参議院議員秦豊君提出ロバート・ロング前太平洋軍司令官の発言に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
参議院議員秦豊君提出ロバート・ロング前太平洋軍司令官の発言に関する質問に対する答弁書
一から六までについて
六月十四日にロング太平洋軍司令官(当時)がワシントンのフォーリンプレスセンターにおける記者会見で、対馬海峡における通峡阻止に関して日米韓三国間に有事計画が存在する旨述べたというような事実はないと承知しており、また、実際、そのような計画は存在しない。
なお、日米両国は、我が国に対する武力攻撃が発生した場合には、共通の危険に対処するよう行動することとなつており、このような場合における日米間の共同対処行動を円滑に実施し得るよう、自衛隊と米軍との間では、「日米防衛協力のための指針」に基づき共同作戦計画の研究が進められている。かかる研究には我が国防衛のため必要最小限度の範囲で行われる海峡・港湾の防備の研究も含まれ得る。いずれにせよ、日韓間又は日米韓三国間で対馬海峡における通峡阻止についての作戦計画を作成するなどというようなことは考えていない。また、従来からも明らかにしているとおり、我が国は、沿岸国であり、かつ、友好国である韓国の意向を配慮することなく、対馬西水道の通峡阻止を行うことは考えていない。
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