質問主意書

第99回国会(臨時会)

質問主意書


質問第二号

ロバート・ロング前太平洋軍司令官の発言に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和五十八年七月二十一日

秦 豊   


       参議院議長 木村 睦男 殿


   ロバート・ロング前太平洋軍司令官の発言に関する質問主意書

 ロバート・ロング前太平洋軍司令官は、退役を前にした去る六月十四日、ワシントンで記者会見し、シーレーン防衛のための対馬海峡の封鎖に関連して日・米・韓三国の間に有事計画がすでに存在していることを初めて明らかにした。そこで、次の点について質問する。

一 いやしくも前太平洋軍司令官の責任とキャリアに裏付けられたこの発言について、政府はどのように受けとめているのか。

二 対馬海峡封鎖に関する三国間の有事計画の存在自体についてはいかがか。

三 同計画は、有事の内容に応じてその対応には数段階があるとしているがどうか。

四 日・韓両国間の対馬海峡西水道の封鎖分担についても「韓国が防衛するのか又は日本なのかで問題が生じる事態においては、すでに合意した数段階の対応がある。」と述べているがどうか。

五 従来、この種の発言が伝えられると政府は、「関知しない」とか「完全否定」の反応を示すことが恰もパターンの如く繰り返されてきた。しかし、ロバート・ロ・ング氏は、ジャーナリストでもなければ軍事評論家でもない。最近まで太平洋軍司令官としての重責を果たしてきた人物の公式な会見における発言である。性急に完全否定するには、余りにも重い事実と受けとめるべきではないのか、政府の見解を求めたい。

六 ロング発言を別としても、有事の際における対馬海峡の封鎖問題について、今後、日米間あるいは日韓間、又は日米韓三国間の何らかの調整又は協議の必要はないのか。

  右質問する。