質問主意書

第98回国会(常会)

答弁書


答弁書第八号

内閣参質九八第八号

  昭和五十八年二月二十二日

内閣総理大臣 中曽根 康弘   


       参議院議長 徳永 正利 殿

参議院議員秦豊君提出竹島問題に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員秦豊君提出竹島問題に関する質問に対する答弁書

一について

 竹島については、歴史的事実に照らしても、また、国際法上も我が国固有の領土であることは明白であり、政府は、韓国政府が竹島に各種施設を構築し、不法占拠を続けていることは誠に遺憾であると考えている。

二について

 累次の巡視結果によれば、竹島には、現在、灯台、見張り所、兵舎、コンクリート製の建物、鉄製のやぐら、アンテナ等の建造物が構築されており、警備員も配置されていることが確認されている。

三から五までについて

(1) 政府としては、竹島の領有権に関する日韓間の紛争は、飽くまでも平和的手段によつて解決を図るとの基本方針に立つており、外交経路を通じ、韓国政府に対し、韓国の竹島に対する領有権の主張は認められない旨厳重に申し入れるとともに、累次の巡視結果に基づき、韓国が各種施設を設け、不法占拠を続けていることに対して繰り返し抗議、申入れを行つており、韓国側の不法占拠を黙認していることはない。
(2) 政府は、韓国との関係においては、昭和五十七年中には、七月の李外務部長官来日の際、事務レベルにおいて本問題を提起し、また、十月二十八日の竹島周辺の海上巡視結果に基づき韓国側に抗議を行うなど外交努力を行つている。

六について

 昭和五十八年一月の中曽根内閣総理大臣の韓国訪問の際の首脳会談においては、この問題は取り上げられなかつたが、外相会談において正式議題以外の問題の一つとして日本側からこの問題を提起し、日本側の立場を再度明らかにしている。

七について

 政府としては、竹島問題は、日韓国交正常化の際に取り交わした紛争の解決に関する交換公文にのつとり、外交上の経路を通じて、今後とも粘り強く話合いを続けていく考えである。