質問主意書

第98回国会(常会)

質問主意書


質問第一九号

海上自衛隊舞鶴基地に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和五十八年五月二十六日

佐藤 昭夫   


       参議院議長 徳永 正利 殿


   海上自衛隊舞鶴基地に関する質問主意書

 海上自衛隊は、京都府舞鶴市雁又地区に実装水雷調整所の建設をすすめるなど舞鶴基地の有事即応態勢を強化しつつある。
 また、一九八四年度米国防報告や米太平洋軍司令官、米第七艦隊司令官等の発言によると、米国は「空母柔軟作戦」の新戦略に転換して日本海を重視し、そこでの米第七艦隊のプレゼンスと演習の強化を強調している。このことからも舞鶴基地の位置づけが、米軍にとつてもますます重要なものとなることは必至である。
 このような海上自衛隊舞鶴基地に関して以下質問したい。

一 海上自衛隊は雁又地区に実装水雷調整所を建設しているが、この水雷調整所の任務は何か。
 魚雷、機雷への火薬装填を実際に行うのかどうか。さらに建設計画の概要、予算総額、工事期間、扱う火薬量などを明らかにしていただきたい。

二 過去三年間に、舞鶴軍港に寄港した米艦船の状況はどのようなものであつたか。寄港期間、艦船名、艦種、寄港目的などを明らかにされたい。その際、米艦船は、野菜、食糧、水、燃料、弾薬の補給や、艦船の部分修理等も行つたのか伺いたい。

三 舞鶴寄港米艦船のうち核兵器積載可能艦船名を明らかにしていただきたい。米ミサイル巡洋艦、同駆逐艦、フリゲート鑑などは、各艦十発前後の核兵器(ASROC対潜核ロケット、核爆雷、艦対空ミサイル等)を積載していることは世界の軍事常識である。京都府民、舞鶴市民はもとより国民は、核・非核両用兵器積載艦船が核兵器をつんだまま舞鶴軍港に寄港しているのではないかと深刻に危惧の念をいだいている。政府は、米国側から事前協議の申し出がないからというだけで、核兵器の舞鶴寄港が絶対ないとどうして断定できるのか見解を伺いたい。

四 五月二十六日付「朝日新聞」報道によると、カーター前米国大統領は、「エンタープライズといわず他の艦船や艦載機が日本周辺で核兵器を搭載しているということか。」との問いに答えて「もちろんだ。」とのべている。
 この発言からみても、核積載可能艦が舞鶴軍港にも入港している以上、横須賀、佐世保のみならず舞鶴軍港にもこれまで核が持ちこまれた疑いは濃厚である。
 政府は、なぜ米国側に対して、核積載艦船の一時寄港は事前協議の対象であり、寄港できないということを明言しないのか明らにしていただきたい。

五 舞鶴を定係港とする海上自衛隊の艦艇(自衛艦隊、地方隊の両方)が、この三年間に実施した日米共同演習の状況はどのようなものであつたのか。その演習名、演習期間、参加艦艇名などを明らかにされたい。

  右質問する。