質問主意書

第97回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第一号

内閣参質九七第一号

  昭和五十七年十二月十七日

内閣総理大臣 中曽根 康弘   


       参議院議長 徳永 正利 殿

参議院議員中西一郎君提出食料品製造業対策に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員中西一郎君提出食料品製造業対策に関する質問に対する答弁書

一について

 我が国の小売業においては、近年、大規模小売業者と納入業者との取引に関し、バイイング・パワーの不当な行使の事例があり、これを適切に規制することが独占禁止政策上重要な課題であると考えている。
 バイイング・パワーの不当な行使の問題については、独占禁止法に基づく不公正な取引方法(優越的地位の濫用等)の規制の一環として厳しく対処しているところであるが、今後ともこの方針を継続する所存である。

二について

 今回の不公正な取引方法の一般指定の改正は、規制される行為の要件の明確化、具体化を図つたものであり、この改正により予防的効果は高まつたものと思われる。
 ただし、一般指定は広く一般の経済取引を対象としており、なお抽象的なものにとどまつている面もあるが、漸次具体的な運用の基準等を明らかにすることについて検討してまいりたい。

三について

 独占禁止法第二十四条各号に掲げる要件を具備する事業協同組合等が行う共同施設等の事業については、小規模事業者の経済的地位の向上を図るという設立の趣旨等にかんがみ、同条ただし書に該当しない限り、独占禁止法の適用が除外されている。

四について

 独占禁止法の運用は経済の実態に即して行われるものであり、今後とも、食品産業を含めそれぞれの産業の実態を踏まえ、適切に法を運用してまいりたい。