質問主意書

第96回国会(常会)

答弁書


答弁書第二四号

内閣参質九六第二四号

  昭和五十七年七月十三日

内閣総理大臣 鈴木 善幸   


       参議院議長 徳永 正利 殿

参議院議員秦豊君提出防衛庁のシーレーン防衛構想に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員秦豊君提出防衛庁のシーレーン防衛構想に関する質問に対する答弁書

一から六まで及び十から十二までについて

 我が国は、我が国周辺数百海里、航路帯を設ける場合は、おおむね千海里程度の海域において、自衛の範囲内において海上交通保護を行い得ることを目標に、逐次海上防衛力の整備を行つているところであるが、二億トン程度の輸入量を確保するというような具体的なことを防衛力整備上の目標としている訳ではない。
 「日米防衛協力のための指針」において述べているとおり、自衛隊と米軍は、海上交通保護を含む海上作戦を共同して実施することとしており、この場合、海上自衛隊は、日本の重要な港湾及び海峡の防備のための作戦並びに周辺海域における対潜作戦、船舶の保護のための作戦その他の作戦を主体となつて実施し、米海軍部隊は、海上自衛隊の行う作戦を支援し、及び機動打撃力を有する任務部隊の使用を伴うような作戦を含め、侵攻兵力を撃退するための作戦を実施することとしている。
 現実に海上交通保護をどの程度行い得るかについては、脅威の具体的様相を始めとする多くの要因に左右されるものであるため、一概に申し上げることはできないが、いずれにしても、右に述べたような従来からの考え方により対潜水上艦艇、潜水艦、対潜哨戒機、関連後方支援態勢等の整備を進めることとしており、「防衛計画の大綱」に定める防衛力の水準が達成されれば、その能力は現在に比べ相当向上するものと考えるので、今後とも同大綱の水準をできるだけ早く達成するよう努力してまいりたい。

七から九までについて

 海上自衛隊の艦艇の性能向上については、経空脅威の増大にかんがみ、AEGISシステムを含め、今後調査・検討していくこととしているが、その結論を得るにはなお相当の期間を要すると考えており、現在、具体的な艦種のイメージを持つている訳ではない。
 したがつて、現時点において性能、排水量、整備隻数及び建造費について答弁することはできない。