質問主意書

第96回国会(常会)

答弁書


答弁書第一一号

内閣参質九六第一一号

  昭和五十七年四月十三日

内閣総理大臣 鈴木 善幸   


       参議院議長 徳永 正利 殿

参議院議員秦豊君提出国家備蓄政策に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員秦豊君提出国家備蓄政策に関する質問に対する答弁書

一から三までについて

 資源小国である我が国にとつて、エネルギーなどの資源及び食料の安定供給を確保することは、我が国の国民生活の安定と国民経済の円滑な運営を図つていく上で不可欠である。
 このため、政府においては、従来これらの重要物資についてその安定供給確保のための諸施策を検討・実施してきたところであるが、その一環として、安定供給が損なわれるような万一の事態の発生に備え、これらの重要物資の備蓄についても諸外国の制度の背景、運用等を参考にしつつ検討を行うことは、重要な政策課題の一つであると考えている。
 食料及び石油については、従来から計画的備蓄を実施し、また、希少金属については、昭和五十七年度から政府の所要の支援の下に民間備蓄を充実することとしたところである。
 今後とも、備蓄対策については、国民の理解を得ながら、総合安全保障の一環として重要物資の安定供給を図るため、各施策の整合性の確保に留意しつつ更に所要の検討を行つていく考えである。

四について

1 御指摘の鉱物資源については、これまでもその安定供給確保のための諸施策を検討・実施してきており、その一環として、昭和五十七年度においては新たにニッケル、クロム、タングステン、コバルト及びモリブデンの五品目に係る民間備蓄につき所要の助成を行い、その促進を図ることとしたところである。
2 政府としては、今後とも、希少金属の国民経済上の重要性、供給面の脆弱性、代替可能性等を検討の上、総合安全保障の観点を踏まえた安定供給確保のための施策の一環として備蓄対策についても考えてまいりたい。

五について

 一から四までについてで述べたとおり、エネルギーなどの資源及び食料の安定供給確保については、一部の重要物資についての備蓄対策を含め、諸施策を検討・実施してきたところであり、今後とも、総合安全保障の観点から各施策の整合性の確保に留意しつつ、引き続き所要の検討を行つてまいりたい。