質問主意書

第96回国会(常会)

質問主意書


質問第二六号

有事法制検討作業に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和五十七年六月二十二日

秦 豊   


       参議院議長 徳永 正利 殿


   有事法制検討作業に関する質問主意書

 昨年四月、政府が行つた有事法制の研究についての中間報告以後の状況について伺いたい。

一 第一分類(防衛庁所管の法令)、即ち防衛庁設置法、自衛隊法に関わるものについては、現在どの程度の検討が終わつているのか。関連条文に即して明らかにされたい。

二 検討が終わつていないとした場合、第一分類についての検討終了の目途はいつ頃か。また、その検討の範囲は如何。

三 第二分類(他省庁所管の法令)、即ち他省庁との調整は、いまどの程度に進んでいるのか。
 また、今後どのような目途、順序で検討作業を進めてゆくのか。

四 今後の作業の中では、自衛隊と海上保安庁の関連(具体的には現行法-海上保安庁の統制は防衛出動、治安出動下のみであり、防衛庁長官がこれを指揮する-の改変や見直し)の再検討は含まれるのか。

五 自衛隊法第八十条に「内閣総理大臣は、特別の必要があると認めたときは、海上保安庁の全部又は一部をその統制下に入れることができる。」とあり「政令の定めるところにより、防衛庁長官にこれを指揮させる。」こととなつているが、その政令の作成は終わつているのか。あるいはいつ頃作成する方針か。

六 自衛隊法第百三条に関連した有事の際の物資の収用や土地の使用等、国民の権利、財産を制限する方向には極めて敏速な対応をする政府が、むしろ最も関連の深い海上自衛隊と海上保安庁の有事の法制的連関に着目しないのは何故か。

  右質問する。