質問主意書

第96回国会(常会)

質問主意書


質問第二三号

三海峡(宗谷・津軽・対馬)封鎖に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和五十七年六月十九日

秦 豊   


       参議院議長 徳永 正利 殿


   三海峡(宗谷・津軽・対馬)封鎖に関する質問主意書

 去る六月十六日、ハロウェイ前米海軍作戦部長は、上院外交委員会での証言の中で、西欧、中東等、世界のいかなる地域であれ、米ソ間に直接軍事衝突が発生した場合には、日本による三海峡封鎖の実行が、米国戦略のすべての前提であると述べた。
 これは、きわめて重大な証言というべきであり、また、幾つかの見逃せない問題点を含んでいる。
 よつて、以下の点につき政府としての正式な見解を伺いたい。

一 日本による三海峡の封鎖作戦が、米国戦略の前提であるとする米国側の基本認識、構想については、どのように考えているか。

二 日米安全保障条約にいう第五条事態ではない世界の他地域における米ソ間の軍事衝突によつて、わが国が直ちに三海峡封鎖を実行することの当否、また、その可能性についてどう考えるか。

三 米国側は、また、海峡封鎖を一定期間維持継続するためには、日本単独は望めず、したがつて日米共同作戦になろうと述べているが、これに対してはどのように考え判断するのか。

四 また、そのような日米共同作戦は、現行の法体系に照らして何らかの疑義をも生じないものと考えるのか。

五 去る四月一日、参議院内閣委員会における私の「三海峡封鎖に関する質問」に対し、宮澤喜一内閣官房長官は「自衛権の発動については、過剰になつてはならないし、脅威や危機に対して相当因果関係のある範囲を超えてはならない。」とする答弁をされているが(内閣委員会会議録第五号三十四頁第三段、第四段)その答弁をふまえれば、ハロウェイ証言的事態にあたつても、軽々に封鎖作戦は実行しないと解されるが、改めて政府としての見解を伺いたい。

  右質問する。