質問主意書

第96回国会(常会)

質問主意書


質問第二二号

フォークランド紛争の戦訓とわが国の防衛政策に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和五十七年六月十九日

秦 豊   


       参議院議長 徳永 正利 殿


   フォークランド紛争の戦訓とわが国の防衛政策に関する質問主意書

 フォークランド紛争は、なお最終的に決着を見た訳ではない。しかし英・ア両軍による一連の戦闘は、実に多くの戦訓を単に両国のみならず、各国の為政者や防衛担当者に与えた。わが国の防衛庁も終始能う限りの観察を続けていたようであるが、この段階で政府としてどの様にこの紛争からの教訓をまとめているのか。
 以下の項目について伺いたい。

一 防衛庁としての公式な「フォークランド紛争の軍事的考察についての幾つかの見解」は如何か。一応のまとめを伺いたい。

二 防衛庁として最も注目し、旦つ刺激を受け触発された問題点は何か。

三 専守防衛を原則とするわが国の防衛計画や、政策、装備計画にとつては、特にどのような点が参考となり得るのか。

四 今後のわが国の防衛計画、特に五六中業の策定に当たつて具体的に反映し、とり入れるべき部門、問題点、構想、兵器装備としては、どのようなものが考えられるか。

五 全体としてその戦訓は、五六中業の方向や重点に影響を与えるほど鮮烈とは考えていないのか。

六 戦訓の一つとして、軍事衛星の圧倒的な役割と指揮統制通信(暗号解読等を含む)機能の重要性があると思うが如何か。

七 わが国としての独自の偵察衛星の必要性をどの程度に感じているのか。
 また、偵察衛星の保有について検討する意向はまつたくないのか。将来の構想としてもあり得ないのか。

八 沿海州・千島列島等を特定の目標とする衛星の打上げについては、技術的な制約がなおあり得ると考えるのか。それとも単に政治外交的判断にまつべき問題と考えるのか。

  右質問する。