質問主意書

第95回国会(臨時会)

質問主意書


質問第一五号

国際センターの設立に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和五十六年十一月二十七日

喜屋武 眞榮   


       参議院議長 徳永 正利 殿


   国際センターの設立に関する質問主意書

 沖繩の祖国復帰満十周年を半年後にひかえた現在、沖繩では関係各層が、この十年の総仕上げ、総括に全関心を集中している。中でも、沖繩県に設置が予定されている「国際センター」に対する県民の関心は一段と高まつているが、今一つその性格、機能、規模等が県民の前に明らかにされていない。
 もともと、この「国際交流センター」構想は沖繩サイドからは、「沖繩振興開発計画」でうたわれた、日本の最南端に位置し、亜熱帯、海洋性気候という沖繩県の地理的特性を最大限に活用し、またこれまでの歴史や文化、通商関係等の実績をふまえて、今後、農業、漁業、科学、医学、エネルギー、貿易問題等々、東南アジア諸国が共通に抱える課題を通じて相互交流を確立、促進することによつて沖繩を国際交流の拠点にすることを目的として構想されたものであつた。
 それゆえ、当初のビジョンでは、東南アジアセンター、国際研修センター、コンベンションホール、熱帯医療センター、移住行政の拡大推進等々の全部あるいは一部の組合わせによる壮大な構想が次々に打ち上げられて、その都度県民の関心を集めた。
 ところが今年の一月、鈴木首相がASEAN五カ国歴訪を機会に、この構想は現実性をおび、去る九月には「沖繩国際交流センター」の建設用地が沖繩県浦添市の「前田」に決定されるなど着々と具体化しつつある。しかし、この構想が現実化するにつれ、伝えられる規模や機能、性格等は段々と縮少化、矮小化されつつあるようにみえる。現在、同構想は、「国際センター」として、外務省・国際協力事業団(JICA)を運営主体に東南アジア諸国連合との技術協力を中心に研修・研究、連絡調整の機能を有する「人造りセンター」として計画されつつあると伝えられるが、前述のとおり、依然として、その内容は県民の前に明らかにされていない。
 そこで私は、以下の件に関し、政府の見解を承りたい。

一 政府が現在構想している「国際センター」の性格はどのようなものか。

二 「国際センター」を沖繩に設置する意義についてどのように考えているか。その際、予定される沖繩の第二次振興開発計画との関連性はどうか。

三 「国際センター」は日本での運営主体は外務省・国際協力事業団があたると報じられているが、文部省・琉球大学、沖繩県あるいは地元の諸研究機関との関係はどのように考えているか。

四 「国際センター」は東南アジア諸国連合に設置される各国のセンターとの関係いかんでその規模、機能、意義等が異なつてくると思われるが、諸国の「センター」と沖繩の「国際センター」との関係はどのように位置づけられるか。

  右質問する。