質問主意書

第94回国会(常会)

質問主意書


質問第一二号

政府の核政策、特に第三世界との協力協定に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和五十六年四月二十四日

秦 豊   


       参議院議長 徳永 正利 殿


   政府の核政策、特に第三世界との協力協定に関する質問主意書

 わが国は、現在までのところ、発展途上国との間には原子力協力協定を結んでいない。しかし、あくまでも平和利用を第一義とするわが国との協力を待望する国々が多くなつていると思料されるが、以下について答弁されたい。

一 インドネシア、フィリピン、タイ、メキシコ、ルーマニア等からも協力協定締結の要望が相次いでいるのではないか、現状は如何か。

二 フィリピンとの間では、協定についてほぼ合意をみたとする観測については如何か。

三 右の協定素案が用意されていれば明らかにされたい。

四 ブラジル、アルゼンチン等との話し合いはどの程度進展しているのか。

五 昨年一部で注目された資源エネルギー庁の構想のうち出力二十万KWないし三十万KWの中小型原子炉の開発計画は、その後どの様に推進されたのか、現状と将来方向如何か。

六 通商産業省は、発電一辺倒の在来の原発計画を超えて発電プラス核熱の利用による脱石油化の促進、大型化、高温化路線から中小型、立地分散型への転換を今後とも一つの方向とするのか。

七 中小型の多目的原子炉は、開発途上国への適合性の面で将来性を期待出来ると考えているのか。

八 昭和五十六年四月現在の核物質保有量に関し、原子炉燃料(新燃料、炉内装荷中の燃料及び使用済燃料)中の核物質をも含む、次の各項について最新のデータに基づき明示されたい。(1)天然ウラン、(2)劣化ウラン、(3)濃縮ウラン、(4)ウラン二三三、(5)プルトニウム、(6)トリウム

九 昭和五十三年四月以降におけるわが国のプルトニウム生成量を年次別に示されたい。

  右質問する。