質問主意書

第93回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第九号

内閣参質九三第九号

  昭和五十五年十一月二十八日

内閣総理大臣 鈴木 善幸   


       参議院議長 徳永 正利 殿

参議院議員小平芳平君提出下水道の整備等国土保全及び環境保全に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員小平芳平君提出下水道の整備等国土保全及び環境保全に関する質問に対する答弁書

一について

(1)及び(6) 下水道は、都市の健全な発達、公衆衛生の向上及び公共用水域の水質保全を図るため、都市における生活又は事業に伴う排水等の下水を排除し、処理することとしている。
 このため、下水道法第十条は、公共下水道の供用が開始された場合には、当該公共下水道の排水区域内の土地の所有者等は、遅滞なく、その土地の下水を公共下水道に流入させるために必要な排水設備を設置しなければならない旨定めている。
(2) 下水道管理者から御指摘のような点について報告は受けていない。
(3) 御指摘のような把握は行つていない。
(4) 下水汚泥の処分については、関係法令の規定に従う等適正に行われるよう下水道管理者等を指導している。
(5) 昭和五十四年における全国の下水汚泥の最終処分量は約二百四十万立方メートルであり、今後、下水道整備の進展により増加することが予測される。

二について

(1) 流域下水道は、二以上の都市の下水道事業を一元的に行うことにより、市街地の健全な発達と公共用水域の水質汚濁防止を効果的に図ろうとするものである。
(2) 相模川、猪名川等に流入する水の汚濁負荷量は、流域下水道の供用開始によつて減少しており、その結果水質は相当程度改善されている。
(3)及び(4) 流域下水道の計画を定めるに当たつては、環境保全、水利用の見通し等を十分考慮しており、御指摘のような事態が生じているとは承知していない。
(5) 第二種流域下水道は、地方都市とその周辺地域を一体とした広域的な下水道整備を促進するため、建設省において検討しているものである。
(6)及び(7) 「土壤浄化方式」については、土壤による汚水浄化の機構が現在のところ理論的に十分には解明されておらず、また、土壤の性質、気候等の自然的条件による制約を強く受ける。
 したがつて、現段階では、屎尿浄化槽に係る一般的構造基準として採用することが困難であり、先に改正した「屎尿浄化槽構造基準」においては、その採用を見合わせたものである。

三について

(1) 御指摘のような把握はされていないが、三都市の市街化の進展をあらわすものとして人口集中地区面積の推移を示せば、次のとおりである。

図 表

(2) 道路における透水性舗装は、その開発が緒についたばかりであり、耐久性、目詰まり対策等解決しなければならない問題が数多く残されているため、引き続き研究開発を行つてまいりたい。
(3) 工場立地法第四条第一項の工場立地に関する準則は、同法第六条第一項の特定工場に限らず、製造業等に係るすべての工場又は事業場が立地するに当たつてよるべき基準を示すものである。
 また、現在、特定工場は、同法施行令第二条により敷地面積九千平方メートル以上又は建築面積の合計三千平方メートル以上の規模のものとされているが、この規模要件は、製造業等の実態、中小企業の実情等からみて適当であると考えている。
(4) 都市施設の計画の策定及び事業の実施は、当該都市施設の必要性とともに、国土保全等に及ぼす影響を十分考慮した上で行われており、都市計画については、具体的には、全国総合開発計画、道路、河川等の施設に関する国の計画、公害防止計画等に適合して定められているところである。