質問主意書

第93回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第五号

内閣参質九三第五号

  昭和五十五年十一月七日

内閣総理大臣 鈴木 善幸   


       参議院議長 徳永 正利 殿

参議院議員村沢牧君提出国立公園上高地の自然景観保全、災害復旧および災害予防の抜本的対策の推進に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員村沢牧君提出国立公園上高地の自然景観保全、災害復旧および災害予防の抜本的対策の推進に関する質問に対する答弁書

一について

 国立公園の特別保護地区等における災害復旧事業及び災害予防事業の実施に当たつては、周辺の自然景観と調和を図るよう十分配慮している。
 また、国立公園の特別保護地区内におけるこれら事業の実施に当たつては、自然公園法第十八条第三項の規定に基づき環境庁長官の許可を受けることとなつており、これにより、自然景観の保全と事業実施面との調整が図られている。

二について

 大正池は東京電力霞沢発電所の調節池でもあることから、発電機能の維持の観点から東京電力によつて一部しゆんせつが行われているが、河川管理上は特にしゆんせつの計画はない。
 なお、上高地の保全対策については、関係省庁の出先機関及び地元地方公共団体で構成する上高地地区保全対策懇談会で話し合われているところである。

三について

 一時保留となつていた上高地最上流部の取扱いについては、横尾谷合流点から明神池までの梓川本川を建設省、その他の河川(支川を含む。)を林野庁の担当とする方向で両省庁間において協議中である。

四について

 焼岳は、昭和三十八年四月以来噴火活動がなく、噴煙量にも変化が見られないことから、火山活動が活発であるとは認められないが、今後の活動の状況によつては、機動観測により対応することとしている。

五及び六について

 上高地の保全対策については、関係省庁の出先機関及び地元地方公共団体で構成する上高地地区保全対策懇談会を設け、連絡調整を図つてきたところであり、引き続き努力してまいりたい。
 なお、現地の実情については、関係省庁がそれぞれの立場で承知しているところであるが、今後も一層その把握に努めてまいりたい。