質問主意書

第91回国会(常会)

答弁書


答弁書第二四号

内閣参質九一第二四号

  昭和五十五年五月二十三日

内閣総理大臣 大平 正芳   


       参議院議長 安井 謙 殿

参議院議員喜屋武眞榮君提出沖繩県における米軍基地に起因する問題に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員喜屋武眞榮君提出沖繩県における米軍基地に起因する問題に関する質問に対する答弁書

一について

(1)及び(2) 飛行場周辺地域においては、航空機騒音により、学校教育、医療、日常会話、テレビ視聴、電話聴取、家庭団らん等について障害を受けている。
 航空機騒音が心身に及ぼす影響については、医療機関に委託して調査を行つているが、まだ結論を得るに至つていない。
(3) 政府は、米側に対し、米軍が飛行場を使用するに当たつては、周辺住民に及ぼす騒音の軽減について配慮するよう申し入れているところであり、米軍もこの趣旨に沿つてできる限りの措置を講じているものと承知している。
(4) 嘉手納飛行場に係る住宅の防音工事の助成は、防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する法律(昭和四十九年法律第百一号)第四条の規定により指定区域内の住宅を対象として行つており、昭和五十四年度までの実績は、三千四百五十三世帯である。工事は、一室(五人以上の世帯については二室)について行つているが、これと併行して、昭和五十四年度から一室防音施工済みの住宅について逐次全室防音化を図つているところである。
 なお、住宅の防音工事の助成は、区域指定の際現に同区域に所在する住宅について行うこととなつている。その理由は、区域指定後障害を承知して新たに建設される住宅については助成の対象としないということによるものである。
(5) 米軍は、日米安全保障条約の目的の達成のため駐留し、及び必要な訓練を実施しているものであり、飛行場の撤去又は訓練の中止を米側に要求する考えはない。また、米軍が飛行場を使用するに当たつては、周辺住民に及ぼす騒音の軽減についてできる限りの措置を講じているものと承知しており、政府としても、周辺地域に及ぼす騒音の軽減について配慮するよう従来より、米側に申し入れているところである。

二について

 キャンプ・シュワブ内の爆発物処理場は、米側にとつて必要なものであつて、これを撤去するよう米側に要求する考えはない。
 爆発物処理場における一回ごとの爆発物処理の制限薬量は、通常二五〇ポンドであると承知している。被害の生じたとされる保育所等について那覇防衛施設局が実地調査したが、爆発物処理と壁のひび割れ等との間の因果関係は、認められなかつた。

三について

 伊江島補助飛行場は、第一六回日米安全保障協議委員会において移設措置とその実施に係る合意の成立後返還される施設・区域として了承され、現在、その移設先について検討中である。