質問主意書

第90回国会(臨時会)

質問主意書


質問第四号

電気自動車の開発普及促進に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和五十四年十二月十一日

塩出 啓典   


       参議院議長 安井 謙 殿


   電気自動車の開発普及促進に関する質問主意書

 わが国のモータリゼーションの進展は著しく、これに伴つて燃料であるガソリンの使用量は年々増加しているが、一方、石油の供給をめぐる情勢はきわめて不安定であり、今後さらにガソリンの需要が増大する場合、これに対応しえない事態になることも予想されている。このため、石油の消費節減の必要性は自動車産業も例外ではなく、脱石油を目指した燃料の多様化のための努力が要請されているのである。また、ガソリン自動車の排ガスは、環境汚染の大きな要因として排出規制が強化されつつある。
 こうした観点から、燃料として多様な第一次エネルギーを利用し、また公害問題の発生のおそれのない電気自動車の開発・普及の促進を図ることが新しい時代に即応するため是非必要であると考える。
 電気自動車は、先に工業技術院を中心にして、関係業界を含めて大型開発プロジェクトとして研究開発が進められた結果、技術的にはほぼガソリン自動車に匹敵する性能の車の開発に成功している。
 しかしながら、まだ量産に至つていないために、コストが割高で普及対策は今後の課題として残されている。
 このため、国の積極的な支援のもとに関係業界の協力による電気自動車の開発普及を推進するため、以下の点について政府の所見ならびに対策を質問する。

一 電気自動車の開発普及をエネルギー源の多様化政策の一環として位置づけ、長期的な普及計画に基づいた施策の総合的な推進を図るべきではないか。

二 標準実用電気自動車の開発普及プロジェクトに対し、必要な指導ならびに助成対策を検討すべきではないか。

三 電気自動車試用制度の拡充等、普及対策の促進に努めることが必要ではないか。

四 電気自動車の官公需の促進を図るよう今後とも検討すべきではないか。

  右質問する。