質問主意書

第89回国会(特別会)

答弁書


第八十九回国会答弁書第六号

内閣参質八九第六号

  昭和五十四年十二月二十一日

内閣総理大臣 大平 正芳   


       参議院議長 安井 謙 殿

参議院議員秦豊君提出国の利害に関係のある訴訟についての法務大臣の権限等に関する法律の解釈と運用の実態に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員秦豊君提出国の利害に関係のある訴訟についての法務大臣の権限等に関する法律の解釈と運用の実態に関する質問に対する答弁書

一について

 法務大臣並びにその所部の職員が、その職務を誠実に執行すべきことは当然であり、法務大臣は、その所部の職員の職務の執行について指揮監督を行い、かつ、責任を負うものである。
 法務大臣の指定する代理人は、訴訟遅延を図ることがあつてはならず、また、それぞれの事案に応じた適切な主張をすべきものであると考えている。

二について

(1)及び(2) 国の利害に関係のある訴訟についての法務大臣の権限等に関する法律の執行及び同法に関する法令案の作成に関する事項は、いずれも法務省訟務局の所管である。
(3)及び(4) 法務省訟務局長等の氏名、就任年月日及び就任直前の役職名等は次のとおりである。

図 表

(5)、(9)及び(10) 本件訴訟は、東京法務局の管轄区域内の東京地方裁判所に係属する事件であるから、東京法務局において処理を担当するものである。東京法務局訟務部付小沢義彦及び同部訟務専門官飯塚実が本件訴訟の代理人に指定されたのは、東京法務局における通常の事件配点の結果によるものである。
 また、仮に法務省訟務局参事官小川英明が本件訴訟の代理人に指定されたとしても、被告の基本的な応訴態度が特に異なるものとなつたとは考えない。
(6)から(8)まで 小沢、飯塚両指定代理人において調査をした結果、違法ではないと主張したと承知している。
 また、右両名は、本件訴訟の適正迅速な処理に留意しつつ訴訟活動を行つていると考えている。

三及び四の(7)から(9)までについて

 被告指定代理人らは、適切かつ誠実な訴訟活動を行つていたものであり、御指摘のように訴訟遅延を図つたということはないと考えている。
 なお、小沢指定代理人が裁判官であつたことはない。

四の(1)について

 御質問のような事実はない。

四の(2)から(5)までについて

 本件訴訟の遂行について法務大臣及び法務省訟務局長が直接具体的に指揮したことはないと承知している。
 また、被告指定代理人らの応訴態度について法務大臣及び法務省訟務局長が責任を負うべき点はないと考えている。

四の(6)について

 建設大臣、建設省計画局長及び同計画局総務課長は、本件訴訟の指定代理人に対し、訴訟の遅延を図るよう要求し、又は条件を課したことはないと承知している。