質問主意書

第89回国会(特別会)

答弁書


第八十九回国会答弁書第三号

内閣参質八九第三号

  昭和五十四年十一月三十日

内閣総理大臣 大平 正芳   


       参議院議長 安井 謙 殿

参議院議員喜屋武眞榮君提出在日米軍基地内の貯油施設に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員喜屋武眞榮君提出在日米軍基地内の貯油施設に関する質問に対する答弁書

一及び二について

 火災が生じた原因は、富士営舎地区内廠舎区域の隣接地に設置されていた燃料貯蔵施設の保護土塁が豪雨により決壊し、土塁内に置かれていたいわゆる野戦用燃料貯蔵袋が流されてその給油ホースが外れたこと等によりガソリン約一九キロリットルが流出し、次いでこれが雨水とともに廠舎区域に流れ込み、これに引火したためであると承知している。
 この火災により、米兵七〇名及び当該営舎地区に出入りする業者等日本人三名が火傷を負い、このうち米兵一一名がこれまで死亡し、また、廠舎等建物一五棟が全半焼したと承知している。
 また、事故があつたいわゆる野戦用燃料貯蔵袋は一個であり、その容量は約七七キロリットルと承知している。
 なお、我が国が地位協定に基づきアメリカ合衆国軍隊に提供している貯油施設(燃料タンク)としては、次のようなものがある。

八戸貯油施設(燃料タンク  八個)   約一一、〇〇〇キロリットル
吾妻倉庫地区(燃料タンク 三七個)  約三九七、〇〇〇キロリットル
小柴貯油施設(燃料タンク 二四個)  約四二四、〇〇〇キロリットル
鶴見貯油施設(燃料タンク 一九個)  約一二三、〇〇〇キロリットル
赤崎貯油所 (燃料タンク 二二個)  約一二一、〇〇〇キロリットル
庵崎貯油所 (燃料タンク 一一個)  約二三四、〇〇〇キロリットル
横瀬貯油所 (燃料タンク 一〇個)  約四三七、〇〇〇キロリットル

三及び四について

 アメリカ合衆国軍隊が行う施設・区域内の貯油施設の安全点検等の維持管理については、我が国の法令は適用されないが、同軍隊が我が国の法令を尊重しつつ公共の安全に妥当な考慮を払つてこれを行うべきものであり、同軍隊としても右趣旨にのつとつて措置してきているものと承知している。
 政府としては、貯油施設等の安全管理については、周辺地域住民の生活の安全をも考慮し、所要の措置がとられるよう必要に応じ米側に申入れを行つてきているところであるが、今後とも、米側との不断の接触を通じ安全の確保に十分努めてまいりたい。