質問主意書

第87回国会(常会)

答弁書


答弁書第一七号

内閣参質八七第一七号

  昭和五十四年六月一日

内閣総理大臣 大平 正芳   


       参議院議長 安井 謙 殿

参議院議員久保亘君外一名提出公務上災害の補償給付に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員久保亘君外一名提出公務上災害の補償給付に関する質問に対する答弁書

一について

 地方公務員災害補償基金鹿児島県支部長が昭和五十二年五月二十四日認定番号「追五一-一」をもつて行つた災害の公務外の認定について、認定請求者から、地方公務員災害補償基金鹿児島県支部審査会(以下「支部審査会」という。)に対し、昭和五十二年六月十五日に審査請求が行われ、更に昭和五十四年二月二十六日に執行停止の申立てが行われており、支部審査会は昭和五十三年から昭和五十四年にかけて合わせて五回会議に付しその審理を進めてきているが、現在はまだ結論が出ていないと聞いている。

二について

 労働者災害補償保険においては、ある疾病が業務上の傷病に係るいわゆる「続発症」あるいは「合併症」であるかどうかについては、指定病院等からその疾病に係る「診療費請求」等があつた場合に、改めて労働基準監督署長が認定することとしている。
 また、労働者災害補償保険においては、業務上の傷病が治ゆした者に対しては、労働基準監督署長がその治ゆの年月日を明示して通知し、治ゆ後については保険給付を行わないこととしている。

三について

 本件に係る補償等について、地方公務員災害補償基金(以下「基金」という。)から事情を聴取した結果は次のとおりであり、公務上の災害に係るものについて医療機関に対し未払となつているものはないと聞いている。

(1) 公務上の災害に対し、これまでに十七万六千五百八十円の療養補償が行われている。
(2) 基金が行つた療養補償については、全額第三者(保険会社)に対し求償し、弁済を受けており、また、既に第三者(保険会社及び加害者の使用者)が行つた損害賠償に係る部分については、基金は免責されている。
(3) 阿久根市の内山病院における療養の費用については、第三者(保険会社)から損害賠償として既に支払が行われている。

四について

 基金は、地方公務員法及び地方公務員災害補償法に基づき地方公共団体に代わつて公務上の災害等に対する補償を行うこととされており、そのため災害について公務上・外の認定を行つているが、地方公務員法第二十八条第二項第一号は、心身の故障のため長期の休養を要する場合に職員を休職にすることができるとしているものであり、基金の行う公務上・外の認定とは法律上の関連はない。