質問主意書

第87回国会(常会)

質問主意書


質問第二三号

沖繩戦被災者への補償に関する再質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和五十四年六月十一日

喜屋武 眞榮   


       参議院議長 安井 謙 殿


   沖繩戦被災者への補償に関する再質問主意書

 沖繩県は、今次大戦における国内唯一かつ最後の決戦場となり、その激しい戦闘により前線と銃後の区別もなく十二万余人の尊い住民の生命が失われ、財産・文化遺産等も灰壗に帰し多大の被害を蒙つた。
 ところが戦後三十三年を経た今日、いまだに沖繩戦において被害を受けた一般住民に対し、戦後処理は勿論被災者への補償もなされず、特に当時六歳未満であつた負傷者(現在私の調査により把握している該当者数二百十人)に対し何らの援護措置もとられていないのは極めて遺憾である。これらの者の中には親を失い、孤児として施設あるいは親戚に養育されて今日四十歳前後になつている者もいる。
 これらの被害は、戦争による犠牲であり国が補償すべきは当然である。この事については、沖繩県議会においても昭和五十三年四月十日に全会一致で要請決議が行われているところである。
 私は、昨年十月十八日に同趣旨の質問主意書を提出し答弁を得たが、被災者の見るに忍びない姿と生活の実態を知るとき、その答弁内容に対し極めて不満であり納得ができない。よつて以下の点について再質問する。

一 沖繩県は、わが国において戦地に指定された唯一の県であり、住民は八十日余にわたつて激戦場のまつただなかにあつたこと、当時の状況並びに島しよであるために前線と銃後の区別もなく戦場から離脱できなかつたこと、戦闘参加者とそうでない者との区別も困難な状況にあつたこと等を考えると、一般の社会保険施策によつて対処するのでなく、戦傷病者戦没者遺族等援護法の適用ないし準用を考えるべきものと思うがどうか。戦時災害による負傷・疾病・障害・死亡及びその後の生活の実態調査をふまえたうえで、今一度政府の考えを示されたい。

二 戦時中六歳未満で負傷した者に対し、国としていかなる補償を行つているか示されたい。これらの者の義足・義手・義眼等の購入費用の負担について国としていかなる補償をしているか示されたい。

三 これらの一般戦傷病者に対し、戦傷病者戦没者遺族等援護法の適用ないし準用が考えられないというのであれば、特別措置により何らかの援護措置を昭和五十五年度予算において講ずべきものと思うがどうか。

  右質問する。