質問主意書

第84回国会(常会)

答弁書


答弁書第二三号

内閣参質八四第二三号

  昭和五十三年六月二十三日

内閣総理大臣 福田 赳夫   


       参議院議長 安井 謙 殿

参議院議員藤原房雄君提出水資源の開発と利用に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員藤原房雄君提出水資源の開発と利用に関する質問に対する答弁書

一について

 水資源の有限性、水の貴重さ等について国民の関心を高め、理解を深めるため、政府は、従来から、「水道週間」等機会あるごとに、各種の広報活動を実施しており、また、昭和五十二年五月三十一日の閣議了解に基づき、毎年八月一日を「水の日」、この日を初日とする一週間を「水の週間」として、この期間を中心に、ポスターの掲示、講演会の開催等を行つているところであるが、更に国民各層の理解と協力が得られるよう、一層努めてまいりたい。

二について

 現在、長期水需給計画の策定を進めており、この策定に当たつては、全国水需給動態調査及び水開発利用調査を踏まえ、第三次全国総合開発計画等国土利用に関する諸計画との整合を図りつつ、全国及び地域別の水需給の現況と将来の見通しを明らかにするとともに、長期的な水資源の開発及び利用に関する基本的な事項を示すこととしている。なお、この計画の決定に当たつては、その重要性にかんがみ、所要の手続をとりたいと考えている。
 水資源開発促進法に基づく水資源開発水系の指定については、そのための基礎調査を実施しているところであるが、今後とも検討を進めてまいりたい。

三について

 地盤沈下等の障害を防止するため、地下水採取の規制、代替水源の確保、水使用の合理化等所要の対策を講じているところであるが、更に、これらの障害を防止しつつ地下水の適正な保全及び利用を図るための総合的方策について、検討を進めているところである。

四について

 農業用水の上水等への転用に係る河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)に基づく水利使用の許可の現況は、芦田川三川ダムの農業用水の福山市等の上水への転用等許可件数合計十七件、総転用水量毎秒当たり約十一・七トンである。また、農業用水合理化対策事業の実施状況は、転用先を埼玉県の上水とした権現堂地区等合計五地区、総計画合理化水量毎秒当たり約六・四トンである。
 今後、更に、関係当事者間の調整、手法の確立、手続の整備等必要な諸条件の整備を図ることにより、農業用水の合理化及び転用の適正かつ円滑な推進に努めてまいりたい。

五について

 廃水の再生利用については、水資源の有効利用を図り今後の水需給の安定に資する等の観点から、政府としてもその重要性を認識し、これまで各種の調査研究を進めてきたところである。今後も、法制度の問題を含め、実用化のための調査研究等、所要の推進措置を検討してまいりたい。