質問主意書

第84回国会(常会)

答弁書


答弁書第二〇号

内閣参質八四第二〇号

  昭和五十三年六月二十日

内閣総理大臣 福田 赳夫   


       参議院議長 安井 謙 殿

参議院議員秦豊君提出日中間の経済交流に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員秦豊君提出日中間の経済交流に関する質問に対する答弁書

一について

 今後、石油の長期的かつ安定的な供給を確保していくためには中国原油等の重質原油の総合的な処理対策を確立する必要があり、このため通商産業省は関係業界の有識者より成る「重質油対策懇談会」を開催し、本問題の検討を進めているところである。今後六月末までの予定で、同懇談会における有識者の意見を中間的にとりまとめ、これを踏まえて必要な対策を検討することとしている。

二について

(一) 輸出信用条件面での過当競争を避けるため、現在、先進二十二カ国が公的支持を受けた輸出信用条件に係るガイドラインに関する取決めを結んでいる。この取決めでは、対象国の一人当り所得の高低別、延払期間別に最低金利がガイドラインとして定められている。これによれば対象国が中国の場合は、期間が二年以上五年以下のときは金利は七・二五パーセント、期間が五年超十年以下のときは金利は七・五パーセントとなつている。我が国としては今後ともこの国際的な取決めを遵守していくこととしている。
(二) 日中間における金融決済問題については本年三月下旬から四月下旬にかけての中国経済代表団の訪日の際、大蔵省、通商産業省を含めた日中双方の関係者の間で話合いを行い、これに引き続き、更に具体的検討を行つているところである。政府としては、日中長期貿易取決めは重要な隣国である中国との貿易の拡大、エネルギー源供給先の多様化等の観点から大変結構なことと考えており、これが円滑に実施されるよう協力していく方針である。

三について

 我が国は自由主義諸国の一員としてココムに参加しているが、ココムの規制は技術進歩及び国際情勢の変化に即し必要最少限のものとするよう常時見直しが行われており、また我が国としても我が国の対共産圏貿易の円滑な発展にとつて障害とならぬようココムの規制の緩和につき努力してきている。この努力は今後とも続けていく所存である。
 なお、ココムリスト中、我が国が緩和をめざす項目については、ココム参加国の申合せがあるので公表することは差し控えたい。