質問主意書

第84回国会(常会)

質問主意書


質問第二五号

米人操縦のセスナ機墜落事故に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和五十三年六月十六日

山中 郁子   


       参議院議長 安井 謙 殿


   米人操縦のセスナ機墜落事故に関する質問主意書

 五月二十七日、米人操縦のセスナ機が箱根山中に墜落した事故が起きた。この事故に関して質問したい。

一 新聞報道によると、事故機は在韓駐留第八米陸軍第五十五航空隊のフライングレジャークラブ所属のセスナ機となつているが事実か。

二 同機は運輸省航空局に来日のフライトプランを通告してあつたか。

三 同セスナ機の乗員の人数及び氏名、所属(軍人ならば所属部隊、階級)、死亡者氏名を明示されたい。

四 新聞報道によると、同セスナ機乗員四人は「休暇を利用して山口県岩国、浜松、厚木のコースで遊覧飛行を計画、二十七日、同セスナ機で来日した。同日午後六時十七分、浜松北基地で給油を終え、厚木基地に向けて飛び立つた…」とされている。
 在韓米軍の要員が米軍機ではないレジャークラブの民間機を使い、しかも遊覧飛行目的で来日する場合は、正規の入管手続がとられなければ違法入国ではないのかどうか。
 在日米軍としての区処を受けず、また在日米軍要員でもない者が、前記の岩国基地を利用(離着陸や給油など)することは地位協定違反ではないか。また本件で、政府は米政府にどのような処置をとつたのか。

五 事故機は、有視界飛行で米軍岩国基地から航空自衛隊浜松基地へ飛び、そこで給油を受けることをあらかじめ計画していたように報道されていたが事実はどうであつたのか。報道のような内容であつた場合は、航空自衛隊基地は、在日米軍機でもなく、また在日米軍の要員でもない、法的には私人にすぎない米人に、基地施設の利用を許したことになり、それは防衛庁設置法並びに自衛隊法違反ではないか。見解を明らかにされたい。
 防衛庁の説明によると緊急着陸措置であり法的には問題がなく当然である、としているが緊急着陸などのための米軍人による自衛隊基地利用はどの程度あるか。最近五年間の回数を明らかにされたい。
 なお今回のセスナ機に関して浜松北基地で給油した航空燃料の量及び代金はいくらか。防衛庁の説明によるとこの給油燃料は返される約束になつている、としているが誰が返すのか氏名を明らかにされたい。

  右質問する。