質問主意書

第84回国会(常会)

質問主意書


質問第二一号

政府の核政策に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和五十三年六月十四日

秦 豊   


       参議院議長 安井 謙 殿


   政府の核政策に関する質問主意書

一 政府は近く核燃料の再処理を民間に委ねる道を拓こうとしているがこれは広範な核政策にとつては重大な転換と画期を意味している。
 しかもそのめざす所は多くの疑義と問題点を内包していると思う。
 まずただしたいのは政府の真意である。政府は今後核燃料の再処理については英、西独、仏などとの協同によつてアメリカの路線と対抗し、カーター政権による一種の核モラトリアムの壁を突き崩し、将来の核自立を指向しているのではないか。

二 核燃料再処理はその事業の性格からして乱立はあり得ない。西独の場合は二十社連合になつたと聞くが日本の場合どのような基準、方針で指定するのか。また、その時期はいつ頃か。

三 今、政府の考えている方針の中では民間業者に比べて動燃、原研に対する平和利用等のチェックが甘くなる危険を感ずるが如何か。

四 五十三年六月現在の核物質保有量を明らかにされたい。
天然ウラン、プルトニウム、濃縮ウラン、劣化ウラン、トリウムの各項について最新のデータを示されたい。
 なお、プルトニウムについては五十年以降の年間生成量を伺いたい。

  右質問する。