質問主意書

第84回国会(常会)

質問主意書


質問第一六号

沖繩県における重症心身障害児者のための施設・設備の整備拡充等に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和五十三年三月二十八日

喜屋武 眞榮   


       参議院議長 安井 謙 殿


   沖繩県における重症心身障害児者のための施設・設備の整備拡充等に関する質問主意書

 先進諸国のなかでもわが国は、重症心身障害児者のための施設・設備の整備が遅れているが、なかでも四半世紀にわたつて米軍占領下にあつた沖繩県では本土に比べ特にその遅れが大きい。
 そこで以下の諸点について質問する。

一 国立療養所金武精神病院内に、重症心身障害児のためのベッドが八十床確保されていると聞いているが、看護婦等の要員不足のために利用率は半分以下とのことである。この設備を十分に利用するためには、要員を早急に確保すべきものと考えるが、要員不足の原因と今後の要員確保の計画を示されたい。

二 結核療養患者を中心に、医療全般の業務をも行い、実質的に総合病院としての役割を果たすものと期待されていた国立療養所沖繩病院(沖繩県宜野湾市)の建設が遅れているがその遅れの原因は何か。また、医師・看護婦等の確保の計画及び同病院の開院時期を示されたい。
 また、地域の人々が待望している同病院の一般診療の実施はいつになるのか伺いたい。

三 沖繩県の重症心身障害児の父母の多くが県内の施設の不足のため、鹿児島県・福岡県等の遠隔地の施設にその障害児を預けているのが現状である。かような遠隔地にある施設に父母が面会に行くには多額の経済的負担を伴う。そこでせめて県内の施設が整備され、そこに子供達が入所できるようになるまででも、面会のための父母の交通費を援助するなど、何らかの援助措置は考えられないか。

四 沖繩県では県立療育園を昭和四十七年から発足させ八十人の児童を収容しているが、施設の整備はまだ不十分であり、昭和五十三年度に長年の要望であつた集団訓練指導棟が建設される予定になつている。しかし、この建設に対しては国による補助制度がなく、約一億円の経費が全額県負担になるようである。長年米軍施政権下にあつた沖繩県の特殊事情を考慮し、沖繩振興開発特別措置法を改正することによつて対象を拡大し補助のみちをひらくべきであると考えるがどうか。

  右質問する。