質問主意書

第82回国会(臨時会)

質問主意書


質問第一二号

一般廃棄物の処理に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和五十二年十一月二十四日

塩出 啓典   


       参議院議長 安井 謙 殿


   一般廃棄物の処理に関する質問主意書

 経済活動の発展、国民生活の向上に伴い、廃棄物の量は増大し、今や年間に排出される一般廃棄物は四千二百万トン、産業廃棄物は三億二千万トンに至つている。
 この膨大かつ多様化する廃棄物の処理は、環境保全の分野における最も緊急な課題であり、解決しなければならない社会問題である。
 また、資源有限時代を迎え、廃棄物の資源化・再生利用を図り、廃棄物の量を減少させる必要がある。
 さらに、生活水準の上昇に伴い、耐久消費財等の粗大ごみが目立つている。このような一般廃棄物の回収処分を義務づけられている市町村は、廃棄物の収集、輸送の改善強化ならびに処理施設の整備拡充に努めているが、地域住民の多様化する廃棄物処理に対する要望に加えて、各市町村の深刻な財政難により廃棄物の処理に十分対処できずにいる状況にある。特に廃棄物が大量に廃棄される臨海の都市では、地価高騰による土地確保の困難等が重なり、廃棄物処理に苦慮しているところである。
 以上のような観点から次の諸点について質問を行う。

一 廃棄物処理と事業者の責務について

 一般廃棄物処理事業として収集した廃棄物の中で処理困難なものが多くなつており、分別収集しても、その後の処理処分には非常に困難を来たしているものが多い。そこで、例えば、廃タイヤ、プラスチックごみ、廃家電製品等の廃棄物については、メーカー等による回収、処理再利用体制の整備を推進するよう強く行政指導を行うべきであるが、国の見解はどうか。
 なお、これらの廃棄物については、メーカー等による体制の整備ができるまでの間、使用の制限や用途の限定などを行い、市町村清掃事業の負担を軽減するようにすべきではないか。

二 現行廃棄物処理法の廃棄物等の再生利用に関する規定を活用し、廃棄物の再生利用をもつと積極的に行うべきではないか。

三 一般廃棄物処理施設の整備費補助金の

1 国庫補助基本額の拡大
2 国庫補助率のアップ
3 補助対象事業の範囲の拡大を図ることにより、市町村清掃事業を支援すべきではないか。

四 最終処分場の整備について、国、都道府県による広域的な対策を行うとともに、国有地の活用についても積極的に推進すべきではないか。
 なお、現在までに国においてどのような対策を講じたかも明らかにされたい。

五 いわゆる適正処理困難物について、その種類の明定、生産の抑制及び事業者による処理責任を明確化するよう法制度を整備すべきではないか。

  右質問する。