第80回国会(常会)
答弁書第五一号
内閣参質八〇第五一号 昭和五十二年六月二十八日 内閣総理大臣 福田 赳夫
参議院議員秦豊君提出成田空港の強行開港をめぐる諸問題に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。 参議院議員秦豊君提出成田空港の強行開港をめぐる諸問題に関する質問に対する答弁書 一について (1) 新東京国際空港公団の昭和五十一年度の決算については、同公団において現在手続中である。
イ 欠損金(単年度) 約六億七千四百万円
(2) 国鉄の昭和五十一年度の決算は、現時点においては、完結していない。
イ 一般勘定における欠損金(単年度) 約七千八百十五億円
(イ) 一般勘定 約八千四百十七億円
ハ 長期負債に係る債務残高 (イ) 一般勘定 約五兆五千七十一億円
(3) 近年めざましい増大を示している航空輸送需用に応ずるための増便等に対処し得なくなつている東京国際空港(以下「羽田空港」という。)の現状及び資金の投資効果の観点からみて、新東京国際空港(以下「新空港」という。)は早急に開港させる必要がある。また、国鉄は依然として国内の基幹的交通機関としての役割を果たしているが、今後もこのような重要な役割を十分に果たし、国民の期待にこたえていくためには、早急に国鉄の再建を図ることが必要である。これらのいずれも、ともに重要な課題であると考えている。
二について 羽田空港においては、航空交通のふくそう緩和を図りその安全を確保するため、その処理能力を超えないよう便数制限を行う等の措置を講じているところであり、航空関係法令に違背して運用されている事実はない。なお、羽田空港は右のような事情から航空輸送需要の増大に対応した増便、外国からの新規乗り入れ要請等を受け入れ難い状況にあり、新空港の開港を早急に推進する必要がある。 三について 新空港開港後における羽田空港への国際線の乗り入れについては、「中華航空公司(台湾)」を除き原則として認めない方向で検討中である。
四について 新空港の開港については、年内開港をめざし、地元等の協力を得て円滑に実現できるよう努力しているところである。
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