第80回国会(常会)
答弁書第四七号
内閣参質八〇第四七号 昭和五十二年六月二十一日
内閣総理大臣 福田 赳夫
参議院議員近藤忠孝君提出能登中核工業団地建設に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。 参議院議員近藤忠孝君提出能登中核工業団地建設に関する質問に対する答弁書 一について 原子力開発に当たつては、従来よりその安全性の確保に努めているところであり、御指摘の北陸電力株式会社の原子力発電所建設計画についてもそれが具体化した段階で関係法令に基づき十分な安全規制を行うことになつている。 二について 能登中核工業団地をはじめ地域振興整備公団(以下「公団」という。)の行う中核工業団地は、地域の開発を希望する地方公共団体の要請に基づき造成されるものであり、また、工場の導入により地元地方公共団体の財政収入の増加が期待される。
三について 公団の中核工業団地造成工事及び国の補助に係る関連公共施設の建設事業の発注については、関係事業主体に対してできるだけ中小建設業者の受注機会の確保を図るよう指導している。
四について 能登中核工業団地基本計画によれば、完全操業時には、約一千世帯の転入があると予測されるため、地元地方公共団体において企業の能登中核工業団地への入居状況をみながら教育施設の整備について検討していく必要があると考えるが、工場の導入に伴い地元地方公共団体の財政収入の増加が期待されるほか、教育施設整備に係る国庫補助金制度もあり、これらによつて施設の適切な整備が図られるものと考えられる。
五について 能登中核工業団地基本計画によれば、能登中核工業団地の完全操業時には、団地内企業への就業者が四千五百人程度になると考えられるが、このうち地元志賀町からの通勤者は約千四百人と試算される。現在、志賀町の就業者約一万人のうち約三分の一が農業を中心とした一次産業に、他の三分の一が繊維を中心とした二次産業に就業しており、今後の経済情勢の変化により、新たな雇用機会の確保を必要とする側面もあり能登中核工業団地に期待するところが大きいと考えられるが、工場の導入に当たつては、地元において労働面で摩擦が生じないよう指導してまいりたい。 六について 企業の収益動向や不況の影響等による雇用調整の問題については、できるだけ労使で十分話し合いを尽くして解決すべきであると考える。なお、工業団地への進出企業に限らず、労働基準法等の適用事業場が同法を遵守しなければならないことは当然であり労働基準監督機関を通じて監督指導に努めてまいりたい。 七について 米町川ダム建設事業(以下「本事業」という。)は米町川沿岸の洪水被害の軽減を主要な目的とし、併せて、ダム下流のかんがい用水等の補給及び能登中核工業団地に必要な工業用水の供給を行い、もつて地域住民の民生の安定と生活水準の向上に資するものである。
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