答弁書第四三号
内閣参質八〇第四三号
昭和五十二年六月二十一日
内閣総理大臣 福田 赳夫
参議院議長 河野 謙三 殿
参議院議員星野力君外一名提出水俣病の認定業務促進に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
参議院議員星野力君外一名提出水俣病の認定業務促進に関する質問に対する答弁書
一について
(一) 水俣病検診センターの常駐医等検診医の確保については、かねてから熊本県とともに積極的に努力してきたところであるが、水俣病に関する専門の医師は極めて限定されており、その確保は非常に困難な現状にある。
昭和四十九年に九州内の各大学、病院等の協力により実施した集中検診の経緯を踏まえて、現在、新たな観点から熊本県と連絡を取りつつ、熊本大学はもとより、広く全国的に大学、病院等の協力を得るべく最大限の努力をしているところである。
(二) 認定審査会委員からは、所属の大学などにおける教育、研究、治療等の本来の業務がある事情により、審査及び検診に、土、日曜日を主に当てる等、これまでも多大の協力を得ているところであるが、水俣病認定業務の推進のためには、検診件数とともに審査件数の増加も必須の条件であるので、認定審査会委員の一層の協力を得て審査件数の増加が図れるよう熊本県を指導してまいりたい。
(三) 御指摘の一斉検診等については、患者及び専門医師の協力を得て準備体制が整うならば実施できるものと考えている。
二について
熊本県及び鹿児島県両審査会の委員には、御質問の通知は了知されており、両審査会においては、公正な審査が行われているものと理解している。
なお、最近においては認定申請者の増加とともに判断が困難な事例が増加してきていることから、水俣病の判断条件をより具体化することが要請されているので、このような事態に対処できる指針をできるだけ早く明らかにしたいと考えている。
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