質問主意書

第80回国会(常会)

答弁書


答弁書第三四号

内閣参質八〇第三四号

  昭和五十二年六月十四日

内閣総理大臣 福田 赳夫   


       参議院議長 河野 謙三 殿

参議院議員近藤忠孝君提出大学院生の研究・生活条件の改善に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員近藤忠孝君提出大学院生の研究・生活条件の改善に関する質問に対する答弁書

一及び二について

 日本育英会の育英奨学事業は、優秀な資質を有しながら経済的理由により修学困難な学生に奨学金を貸与し修学を援助することを目的としているところである。
 大学院学生に係る育英奨学事業については、昭和五十二年度予算において、貸与月額を博士課程にあつては五〇、〇〇〇円(前年度四八、〇〇〇円)に、修士課程にあつては三九、〇〇〇円(前年度三八、〇〇〇円)にそれぞれ改定増額するとともに、貸与人員については博士課程を四〇〇人増員し一〇、五〇〇人とし拡充を図つたところである。
 すぐれた教育・研究者の養成確保を図るという観点から、大学院学生に対する育英奨学事業については、今後ともその充実に努めたいと考えているが、大学院の学生についても、奨学生として採用するに当たつては、本人の学習成績とともに経済的理由等を充分考慮すべきものであり、したがつて希望者全員に貸与する考えはない。

三について

 国立大学の教育研究の遂行に係る基準的経費については、逐年その充実に努力しているところであり、昭和五十二年度予算においても、学生当積算校費、教官当積算校費、教官研究旅費等の基本的経費をはじめ設備費、光熱水料等についても増額を図つたところである。
 今後も必要な経費の確保に努めてまいりたい。

四について

 国立大学の教員については、教育研究に関する職務を遂行する上で必要な旅費についての予算を計上し、支給しているものであるが、大学院学生は、教員とはその立場を異にするものであるから旅費を支給することは考えていない。