質問主意書

第80回国会(常会)

答弁書


答弁書第二六号

内閣参質八〇第二六号

  昭和五十二年六月十日

内閣総理大臣 福田 赳夫   


       参議院議長 河野 謙三 殿

参議院議員春日正一君提出震災対策に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員春日正一君提出震災対策に関する質問に対する答弁書

一について

 御指摘の大都市震災対策部会(仮称)の設置については、現在、中央防災会議事務局に設置されている関係省庁の担当職員から成る大都市震災対策連絡会議等を中心に、関係地方公共団体とも密接な連携を図り、各種防災計画の策定及び実施の推進を図つているところである。

二について

 都市防災化事業の推進等については、地震対策緊急事業計画に基づく避難広場、避難道路の整備等を始めとし、緊急度の高いものから計画的な推進を図つているところであるが、今後とも一層の努力を続けてまいりたい。

三について

 避難広場の確保及び周辺建築物の不燃化等については、公園事業及び市街地再開発事業の実施、防火地域の指定等現行制度を組み合せ、積極的に対処することによつて一層推進するよう努力してまいりたい。

四について

 石油コンビナート等災害防止法により緩衝緑地を整備する場合、三分の一の事業者負担が課せられ、残りの事業費についても通常の緑地整備に比べ国庫補助率が高く、地方公共団体の負担が軽減されることになつており、また、公害防止対策事業として必要な緩衝緑地を整備する場合についても公害防止事業費事業者負担法による事業者の負担及び公害防止に関する事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律による地方公共団体の負担軽減措置が講じられることになつている。
 防災上必要な緩衝緑地については、右の制度を活用することにより、その整備に努めてまいりたい。

五について

 防災科学技術の研究については、関係各省庁の試験研究機関において、それぞれの所掌に応じ、特色を生かしつつ、これを進めている。また、大学においても関連の基礎研究を進めている。特に、国立防災科学技術センターにおいては、関係機関との協力のもとに、自然科学的な研究のみならず、防災科学技術と災害に関する社会的事象等の分析結果との総合的研究も含め、幅広い研究を進めるとともに、大型共同研究施設の整備、共同研究の実施、資料の収集、提供等を通じて、関係機関における災害対策研究の総合的な促進を図つている。
 また、御指摘の地域に即応した研究については、各研究機関において、諸地域の具体的な問題解決に役立つ研究に重点を置き、地域性を加味して研究を行つている。
 今後とも、関係都道府県等と連絡を密にしつつ、必要な研究を推進していく所存である。

六について

 都市地域の防災対策の強化のためには、現行諸制度を有効に活用して計画的に対処していくことが必要であると考えている。
 なお、これらの施策の推進に当たり、対処する必要がある問題が生じてきた場合には、必要な措置を検討してまいりたいと考えている。