質問主意書

第80回国会(常会)

答弁書


答弁書第一九号

内閣参質八〇第一九号

  昭和五十二年六月十六日

内閣総理大臣 福田 赳夫   


       参議院議長 河野 謙三 殿

参議院議員近藤忠孝君提出国鉄塩嶺トンネル掘削にともなう異常出水に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員近藤忠孝君提出国鉄塩嶺トンネル掘削にともなう異常出水に関する質問に対する答弁書

一から三までについて

 国鉄塩嶺トンネルの工事は、ゆう水の著しい地層においては薬液注入工法等により掘削を行い、直ちにコンクリートで覆工する等現在の技術水準からみて最善の方法によりゆう水を減じつつ、速やかに工事を完了する方針で対処していると聞いている。
 なお、本工事は、関係地方公共団体等の了承を得て着手したと聞いているが、工事に伴うゆう水による影響については、所要の措置を講ずるよう国鉄を指導しているところである。

四について

 き裂等が生じた水田については、既に整地を行つたところであるが、今期の収穫後更に床締め等の対策も行う意向であると聞いている。

五について

 住民の湿しん等の症状と凝固剤との因果関係を解明するために塩尻市が行つた水道原水の分析の結果では、凝固剤成分の水道原水への溶出は認められなかつたが、なお、同市においては、住民の不安を解消するために信州大学に依頼して患者の診察も行つていると聞いており、今後必要があれば指導してまいりたい。

六及び七について

 地下水のゆう出状況の変化等の事態については、その都度実態を踏まえて関係者と協議し、適切な対応策を講じていると聞いている。
 なお、過去の経験等からみて適切な対応策を講ずれば御指摘のような事態が生ずることはないと聞いているが、今後とも所要の措置を適切に講ずるよう国鉄を指導してまいりたい。