質問主意書

第80回国会(常会)

答弁書


答弁書第九号

内閣参質八〇第九号

  昭和五十二年三月二十五日

内閣総理大臣臨時代理             
国務大臣 西村 英一   


       参議院議長 河野 謙三 殿

参議院議員喜屋武眞榮君提出沖繩県における交通方法変更等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員喜屋武眞榮君提出沖繩県における交通方法変更等に関する質問に対する答弁書

一 について

 沖繩県交通方法変更については、昭和五十年六月二十四日閣議決定「沖繩県における交通方法変更の実施時期について」に基づき、昭和五十三年七月末を目途に準備を進めることとしており、交通方法変更のために必要な交通安全施設等の変更事業、県民等に対する広報及び安全教育等に要する経費について、全額国において措置することとしている。

二について

 道路整備の促進については、昭和四十七年の本土復帰以来、整備水準の引上げに努めてきたところであり、昭和五十二年度においては、特に県道、市町村道、街路について大幅に整備の促進を図ることとしている。
 交通安全施設等の整備については、昭和五十一年度に発足した第二次交通安全施設等整備事業五箇年計画に基づき、計画的な整備に努めていきたい。
 交通安全教育については、交通方法の変更に備えて一段とその充実を図る必要があり、このため、歩行者、自動車運転者等に対する正しい交通方法の一層の徹底を図ることとしており、特に児童、生徒等に対する安全教育については、学校の教員を対象とした指導資料の作成や講習会の実施により、その充実を期することとしている。

三について

 本島については、中量輸送機関に関して那覇市、沖繩県及び沖繩開発庁が、沖繩自動車道に関して日本道路公団が各々所要の調査を行つている。
 離島については、各島の有する特性、観光を含めた離島振興開発に伴う将来の各島間の交通需要の動向に対処するため、交通機関の特性に相応した輸送量分担、ネットワークの在り方等について、沖繩開発庁において現在調査を行つているところである。

四について

 交通方法の変更は、日常の生活様式そのものの改変であり、県民個々にはそれぞれの立場で利害得失のあることは言うまでもなく、このために経済的不利益を被つたと称するそのすべてについて救済策を講ずる訳にはゆかないと考えられるが、沖繩県の交通方法の変更は、復帰処理の一環であること等の事情を考慮して、必要なものについては適切な措置をとつていきたいと考えている。
 昭和五十二年度においては、営業用バスの代替及び車両の前照灯の付替えに要する経費について所要の補助及び財政融資を行うこととしている。

五について

 沖繩県民が新しい交通方法に自信を持ち、変更に安心して対応し、事故や混乱を防止するためには、できるだけ早い時期から広報、教育を徹底して実施する必要がある。
 このため、政府においては沖繩県及び市町村の関係機関、団体と十分協議しながら、民間の指導者の協力も得て、幼児・老人・身体障害者、学校在学者、歩行者・自動車運転者等それぞれの対象に即したきめ細かい広報、教育の展開に努めていきたい。

六について

 沖繩県の交通方法の変更については、関係省庁間の緊密な連絡を確保し、その円滑な実施の推進を期するため、総理府に沖繩県交通方法変更対策本部を置き、各省庁の施策及び事務の調整を図つている。
 現地におけるより具体的な問題の検討、施策の推進のためには、沖繩総合事務局、沖繩県、県警察、県教育庁等の代表をもつて構成する連絡会議を設けることとし、中央との連絡を密にするため、この会議に総理府の担当官を参加させることといたしたい。
 現地において提起された問題のうち、所管省庁の明確でないもの、関係省庁間の調整を要するもの、その他現地の連絡会議で扱い得ないものについては、交通方法変更対策本部においてその処理方策を検討することといたしたい。