質問主意書

第80回国会(常会)

質問主意書


質問第二八号

学校図書館に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和五十二年六月六日

喜屋武 眞榮   


       参議院議長 河野 謙三 殿


   学校図書館に関する質問主意書

 学校図書館は、学校教育の進展に寄与するために重要な使命をになつている。しかし、学校図書館法が制定されて以来四半世紀を経ているにもかかわらず、学校図書館の運営に必要な教職員の増員ならびに経費の充実等については、非常に不十分な状況にある。また、司書教諭、学校司書については、その位置づけ、職務のあり方等を改善すべく、学校図書館法の改正案が、第六十八回国会で衆議院において可決され、また第七十二回国会においては学校教育法及び学校図書館法の改正案が参議院において可決された経緯もある。
 そこで以下の諸点について質問する。

一 学校図書館の現状について

 公立小学校・中学校・高等学校の学校図書館の設置率・面積・蔵書数・司書教諭及び学校司書の配置率・図書館運営費(国の補助の状況、公費とPTA等私費負担の割合等)等を示されたい。

二 図書購入費の補助について

 図書購入費については、現在国からの補助は実施されておらず、地方交付税に積算されているのみである。しかし、昨今の書籍の値上がりという状況を考えてみると、設置者の負担のみでは蔵書の充実どころか、更新もおぼつかないといつた状況にある。そこで、国の補助を充実強化するべきだと思うが、それについての国の考え方を示されたい。

三 図書館職員等について

(1) 学校図書館法第五条によると、司書教諭を置くことが義務づけられている。しかし、同法附則第二項によつて、当分の間、本条の規定にかかわらず司書教諭を置かないことができるとされ、本条が空文化されている。本法制定後すでに四半世紀近くたつていること及び学校図書館の役割の重要性にかんがみ、早急に附則第二項を削除し、司書教諭の必置制を図るとともに、さらに、学校規模に応じて専任の司書教諭を複数配置すべきものと思うがどうか。
(2) 司書教諭の役割の重要性にかんがみ、その養成機関の整備充実を図るべきものと思うが、国のそのための施策を示されたい。
(3) 学校司書を専門的な職業として法制化するとともに、教育職員として身分の確立を図るべきものと思うがどうか。
(4) 学校図書館担当の事務職員については、いわゆる標準法上の配当基準が、小学校で三十学級以上、中学校で二十四学級以上、高等学校で十八学級以上とされているために、それにみたない、規模の小さい学校司書が解雇されたり配置転換されたりして専任職員の不在が生じていると聞いている。この実熊はどうなつているか。またこれを解消するために配当基準を是正する考えはないか。

  右質問する。