質問主意書

第80回国会(常会)

質問主意書


質問第二七号

魚価の値上がり防止等に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和五十二年六月四日

沓脱 タケ子   


       参議院議長 河野 謙三 殿


   魚価の値上がり防止等に関する質問主意書

 最近東京、大阪などの大消費地を中心に、水産物価格が異常に値上がりし、消費者に重大な脅威をあたえている。
 この魚価の異常な値上がりが、一部大手水産会社などによる買占め、売惜しみなど、不当な投機によるものであることは今国会でも追及されており、またこれらの会社が最近の決算期に公表している異常な高利潤もこれを裏づけるものである。
 現在魚価は一応高値安定状態にあるが、このような大企業の横暴を放置するならば、すでに二百海里時代に入り、各国の漁獲規制によつて漁獲量の減少も見込まれる今日、魚価はさらに値上がりを再燃させる危険性をもつている。
 わが国は周囲を海に囲まれ、歴史的にも水産国として高い位置にあり、国民の食生活においても、魚類は、国民の摂取する動物性蛋白質の半分を占めている。
 したがつて、水産物の異常な高値が国民の生活及び健康に与える影響のきわめて大きいことは多言を要しない。
 よつて政府は、現下の魚価の異常な値上がりをおさえるとともに、こうした事態を再びくりかえさない措置をとる必要がある。
 この立場から以下質問する。

一 現在の魚価の異常な値上がりに関し、水産物を国民生活安定緊急措置法の対象品目に指定し、価格安定をはかるつもりはないか。

二 現在の高値の重要な原因となつている「魚ころがし」と称される一部大手水産会社等による投機行為に対し、生活関連物資等の買占め及び売惜しみに対する緊急措置に関する法律を発動し、価格調査官による冷凍倉庫への立入検査、放出命令等の実効ある措置をただちにとるつもりはないか。

三 漁獲量の減少が見込まれる中で、沿岸漁業の振興など、いわゆる「つくる漁業」を今後どう発展させるつもりか。

四 水産物の効果的利用をはかり、国民の食生活の水準および嗜好を考慮し、水産物の利用加工に関する調査研究を今後どう進めるつもりか。