質問主意書

第78回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第一二号

内閣参質七八第一二号

  昭和五十一年十一月二十六日

内閣総理大臣 三木 武夫   


       参議院議長 河野 謙三 殿

参議院議員鈴木力君提出林野雑産物補償に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員鈴木力君提出林野雑産物補償に関する質問に対する答弁書

一について

 昭和四十年度以降の林野雑産物補償の演習場又は対地射爆撃場別及び発生年度別の支払額及び対象者数は、別表第1のとおりである。

二について

(1)から(3)まで 林野雑産物補償については、原則として、申請者の代理人である関係市町村長又は関係組合長から林野関係雑補償申請書を提出させ、当該関係市町村長又は関係組合長と関係防衛施設局長との間で林野関係雑産物の損失補償契約を締結するという方式により処理しているが、北富士演習場に係る林野雑産物補償については、その円満なる処理を図るとの観点から、関係地方公共団体、関係入会組合等の代表者によつて構成される北富士演習場対策協議会と協議の上、申請者の代理人である各入会組合長が更に同協議会長を復代理人として選任し、同協議会長と横浜防衛施設局長とが前述の契約を締結するという方式により処理している。

三について

(1)、(3)及び(5)から(8)まで 林野雑産物補償は、現在自衛隊又は米軍が演習場等として使用している林野において、米軍の使用開始時まで継続的に林野雑産物を採取していた者で、その演習場等に立ち入つて林野雑産物を採取する農業経営上の必要性が存続し、かつ、その演習場等への立入制限等によりその演習場等における林野雑産物の採取が阻害されている事実があるものを対象として、その者の申請に基づき、その阻害の程度に応じて行うものである。
 したがつて、現在農業経営を行つている者であつても当該林野において米軍の使用開始時まで継続的に林野雑産物を採取していないもの及び従来の補償対象者であつても現在農業経営を行つていないか又は立入制限等により林野雑産物の採取が阻害されている事実がないものは、林野雑産物補償の対象とはなり得ない。
 また、先に述べた林野雑産物補償の対象者としての要件を備えている者である限り、現実に演習場等に立ち入つて林野雑産物の採取を行つていなくても、林野雑産物補償の対象となり得る。
(2)及び(4) 右に述べた林野雑産物補償の対象者としての要件を備えているかどうかの調査は、林野関係雑補償申請があつた場合に、申請者ごとに、耕地面積、牛馬飼育頭数、そだ使用施設の有無、演習場等外の採取地の有無等農業経営の実態を調査することにより行つている。
(9) 御質問のような事実はないと承知している。

四について

(1)から(3)まで 林野関係雑補償申請に係る野草平年採取量は、別表第2のとおりである。同表の数値は、補償対象者ごとに、飼料用にあつては牛馬頭数に一頭当たり年間野草必要量を、堆肥用にあつては耕地面積に一アール当たりの年間野草必要量をそれぞれ乗じて算出した数値を合計したものである。
 なお、各年度ごとの野草平年採取量の算出に当たつては、学者の調査資料、世界農林業センサス山梨県統計書等を参考として使用するとともに、牛馬頭数、耕地面積、単位当たり野草必要量等の基礎数値を可能な限り調査している。
(4)から(6)まで 昭和四十年度以降現在までに行われた林野雑産物補償に係る野草及びそだの各年度別採取量、補償対象量等は、別表第3のとおりである。同表の野草及びそだの各年度別採取量は、北富士演習場への立入りが可能な日に、各補償対象者が採取し得る量及びこれらの者が同演習場外において採取し得る量により算定しているので、採草及び採薪跡地の調査は、必要ではない。
(7) 申請手続の不備等によつて申請書を受理されなかつた場合を除き、三についてで述べたところによつて処理している。
(8) 平野入会組合に所属する農家は、農業経営上必要な野草の大部分を北富士演習場外の採取地において充足することが可能であり、残る不足分についても同演習場への立入許可日に採取することにより充足することが可能であるので、同組合に所属する農家には、補償金を支払つていない。
(9) 御質問の十六人に係る昭和四十八年度分及び昭和四十九年度分の林野雑産物補償については、上吉田松山入会組合長を通じて行われた申請に基づき、三についてで述べたところにより調査確認の上、補償金を支払つたものである。
(10)及び(11) 御質問に係る個人別補償額等については、答弁を差し控えたい。

別表第一 昭和40年度以降の林野雑産物補償の施設別、発生年度別支払額及び対象者数

別表第二 昭和42年度以降の野草平年採取量

別表第三 昭和40年度以降の野草及びそだの各年度別補償額等