第78回国会(臨時会)
質問第一三号
国鉄の複々線拡張、高架化による被害補償に関する質問主意書 右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。 昭和五十一年十一月四日 内藤 功
国鉄の複々線拡張、高架化による被害補償に関する質問主意書 日本国有鉄道の複々線拡張および高架化による沿線住民への被害は、日照被害、テレビ受信障害、車中からの投下物による被害、振動・騒音など各種におよび、住民の精神的、肉体的苦痛は放置できないものとなつている。
一 国鉄の複々線拡張、高架化によつて生じた被害にたいする政府の基本的姿勢について問う。また住民の要求については積極的かつ前向きに対処すべきと考えるがその用意はありやなしや。 二 各種被害にたいする補償について (1) 日照権-線路の高架化により日照時間が皆無および極めて僅少となつた地域は、朝から点灯を強いられるとともに布団の日光乾燥も不可能となり、冬期は一般家庭に比して暖房費も大幅に増加するなど生活条件は極めて劣悪である。そこで以下の補償方法が考えられるが検討する考えはないかどうか。 イ 年間を通じて日照皆無あるいは日照が僅少となつた住民にたいして布団乾燥車を無償で提供すること。
(2) 列車、電車の通過時に発生する乱波によるテレビ受信障害解決のため、国鉄の完全負担で共同アンテナの設置及び各家庭までの有線ケーブル敷設をおこなうこと。 (3) 列車、電車からの投下物防止 投下物は空瓶、空罐をはじめとして弁当の殻、新聞紙はては汚物付着のトイレット・ぺーパーにまでおよび、住民は危険防止や落下物の除去作業のため毎日労苦を強いられている。
イ 線路際へのフェンス設置など万全の策を講ずること。
(4) 振動、騒音防止について 杉並区役所が今年六月十七日より二十九日にわたつて測定した結果によれば、騒音八十五ホーン、振動は深夜においてさえ八十一デシベルもあり、早急な対策が必要となつている。
イ 枕木の下にクッション等の消音措置をほどこすなど効果的措置をおこなうこと。
三 今年八月阿佐ケ谷駅沿線住民は具体的被害の解決の陳情をおこなつているが、国鉄はその後十分な調査をおこなつていない。
右質問する。 |