質問主意書

第78回国会(臨時会)

質問主意書


質問第三号

住宅ローン返済方式に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和五十一年十月八日

野末 陳平   


       参議院議長 河野 謙三 殿


   住宅ローン返済方式に関する質問主意書

一 現在、銀行は住宅ローンの返済方式に元利均等方式を採用している。住宅金融公庫も昭和四十九年度から、それまでの元金均等方式をとりやめ元利均等方式に変更している。元利均等方式は毎月一定の額を返済するため元金均等方式に比べてスタート時の返済額が少ないが、返済総額が借り入れ額の二倍以上と、金利ぶんの負担が過重になる。現在、銀行などの金融機関が住宅ローンの融資に際して元金均等方式を採らずに元利均等方式を採用している理由は何か、明らかにされたい。

二 具体的に一、〇〇〇万円の住宅ローンを年利九・〇〇パーセント、二〇年返済で金融機関から借りた場合、元利均等方式による返済総額は二、一五九万三、〇〇〇円。元金均等方式によると一、九〇四万七、〇〇〇円。両者に二五〇万円余りのひらきがある。また、月々の返済額は、返済スタート時で元利均等方式八万九、九七二円、元金均等方式一一万六、六六六円と、元金均等方式が二万六、〇〇〇円余り負担が大きくなつているが、この差は徐々に縮小して七年目を過ぎるころからは元利均等方式の方が毎月の返済額が多くなる。
 住宅ローン利用者の中には夫婦共働きの者も多数おり、返済スタート時の負担が多少大きくても返済総額が少ない方がいいという理由で元金均等方式を望む声もある。住宅ローンは一般企業への融資と異なり庶民が住宅を確保するための融資で福祉政策の根本にもかかわる問題である。そこで、政府は各金融機関に働きかけて、希望する人々には元金均等方式による返済の道がひらけるよう指導すべきであると考えるがどうか。

三 私の提言に対し、金融機関が元金均等方式と元利均等方式の併用に踏み切れないというのであれば、その理由は何か。例えば、各金融機関が現在使用中のコンピューターを全部入れ換えなければならないから等、具体的に明らかにされたい。

  右質問する。