質問主意書

第77回国会(常会)

質問主意書


質問第六号

宮入バルブの労使紛争に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和五十一年三月十日

神沢 浄   


       参議院議長 河野 謙三 殿


   宮入バルブの労使紛争に関する質問主意書

 東京都中央区銀座西一丁目二番地に本社を置く株式会社宮入バルブ製作所(以下宮入バルブという)における労使紛争と、大山梅雄個人の企業に対する社会的責任について質問する。

一 昭和四十七年十月ごろより大山梅雄が宮入バルブの代表取締役として経営にのりだしてから、宮入バルブの労働組合である全国金属労働組合山梨地方本部宮入バルブ支部(以下支部という)とのあいだに、労使の紛争が拡大し、今日に至るも解決していないといわれているが、その紛争の経過と現状並びに原因について、政府はどう把えているか明らかにしてもらいたい。

二 この紛争にもとづいて発生した労働組合法違反、労働基準法違反、人権侵害の事実について、裁判所、労働委員会、労働基準監督署、法務省人権擁護委員会などに申請、申立、申告したといわれているが、その件数と内容及び処理状況について明らかにしてもらいたい。

三 申請、申立、申告によつて、それぞれの機関より、宮入バルブに対し命令、勧告などの違反事実が指摘されたと聞いているが詳細を明らかにしてもらいたい。

四 特に最近の不当労働行為救済命令の中で、宮入バルブのみでなく、大山梅雄個人に対して命令がでたと聞いているが、いかなる根拠によつて大山梅雄への追及が行われたか明らかにしてもらいたい。

五 大山梅雄は、宮入バルブをはじめとして株式会社津上(東京都港区新橋四-一-一〇)などの経営権を最近にぎつたと聞いているが、大山梅雄の関係する企業はどの程度あるのか明らかにされたい。あわせて経営権をにぎる際に独禁法などの違反事実が行われたか、また経営権をにぎつた企業で宮入バルブのような労使紛争なり労働関係諸法規違反の事実などがおこつたか明らかにしてもらいたい。

六 全国金属労働組合などを通じて、今次紛争解決のため労働大臣をふくめ労働省当局に再三要請したと聞いているが、労働省当局はこの紛争解決に如何なる努力が行われたか明らかにしてもらいたい。

七 宮入バルブの不当労働行為救済命令のうち一部確定したと聞いている。このような労働組合法違反を行う企業、並びに大山梅雄の関係している企業に対し、政府・労働省は、如何なる処置と社会的責任を追及するのか明らかにしてもらいたい。

八 企業の社会的責任がさけばれている時だけに、政府・労働省は、この紛争解決について具体策を明らかにしてもらいたい。