質問主意書

第76回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第一三号

内閣参質七六第一三号

  昭和五十年十一月四日

内閣総理大臣 三木 武夫   


       参議院議長 河野 謙三 殿

参議院議員喜屋武眞榮君提出傷病恩給等の改善に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員喜屋武眞榮君提出傷病恩給等の改善に関する質問に対する答弁書

一、について

 公務扶助料は、公務のため死亡した者の遺族に支給するものであるから、増加恩給受給者がその給付原因となつた傷病により死亡した場合には、その遺族に公務扶助料を支給している。したがつて、増加恩給受給者であつても、その者が公務傷病以外の傷病により死亡した場合についてまでその遺族に公務扶助料を支給することは適当でないと考える。

二、について

 公務扶助料は、公務のため死亡した者の遺族に支給するものであるから、傷病年金受給者がその給付原因となつた傷病により死亡した場合には、その遺族に公務扶助料を支給している。したがつて、傷病年金受給者であつても、その者が公務傷病以外の傷病により死亡した場合についてまでその遺族に公務扶助料を支給することは適当でないと考える。

三、について

 現行の間差率は、現在の傷病恩給の体系(増加恩給は特別項症から第七項症まで、傷病年金は第一款症から第四款症まで)が確立された昭和十三年の間差率を目安として、昭和四十年に決定したものである。その後、斯界の権威による傷病恩給症状等差調査会も、この間差率を前提として症状等差につき医学的な検討を行い、その報告に基づいて昭和四十四年に改善措置を講じたという経緯もあるので、これを変更することについては、慎重に検討すべきであると考える。

四、について

 普通恩給を併給される者の傷病年金の年額を一五パーセント減額することとしているのは、増加恩給には必ず普通恩給が併給されるが、傷病年金には、その受給者が別途普通恩給を受ける権利を有していない限り普通恩給が併給されないという制度の仕組みを前提として、増加恩給受給者と傷病年金受給者との受給額のバランスを図るためにとられている措置である。
 したがつて、この減額制を廃止すべきか否かについては、制度内部の均衡等を考慮し、慎重に検討すべきであると考える。

五、について

 目症程度の軽度傷病者に対しては、戦前においても一時金のみで、年金は支給されていなかつたのであり、また、他の公的年金制度におけるこの程度の傷病者に対する処遇を勘案しても、これらの者に年金を支給することは適当でないと考える。